ヘルパーは爬虫類系?
(ヘルパーのE)
(ヘルパーのO)
上の2人は、ヘルパーのOとEだ。
ヘルパーとは、左官、大工などの『職人』よりも給与(時給)が安いワーカーで、主に雑用を担当する。
ヘルパーOは、エンボイとドドンが取り付けたドア枠を紙やすりで磨いたり、跳ねたセメントをノミで取り除く仕事。
ヘルパーEは、床に落ちて固まったセメントを叩いて除去する仕事。
エンボイにあてがわれたこの仕事を日がな一日、もうすでに10日近くやっている。
『職人』は壁塗りの際、セメントをボロボロこぼす。
それが固まる。
せっかく塗った壁に配線配管用の穴を開ける。
済むとまたセメント塗り。
床やドア枠はすぐセメントだらけになるのだ。
仕事と材料がもったいない。
彼らに、養生(マスキング等)をしてから作業にかかる事を覚えさせるのは、並大抵ではない。
(この国のひとを馬鹿にする気は毛頭無いが、事実は事実としか捉えようが無い。ほって置けば、未使用のスイッチもトイレも窓サッシも、ドアも何もかもがセメントや何やらで傷だらけにされてしまう。この国の建築に養生は無いのだ。)
(O君)
(E君)
日々7時間、Oはガリガリ、シャーシャー、Eはトントン、トントンだ。
私ならすぐ飽きてしまうか、何か別のことを考えながらやるしかないが、それでも限度がある。
マァ実際のところ、彼らにしても、今日の家族のメシ代稼ぎ、金の為に来ているだけかもしれない。
労働から何かを学ぶとか、自分のスキルを向上させるとかじゃなく、ただ時間を殺すと云うか、時計を進ませるのが目的なのか。
それに、もともと仕事の量を減らさない、或いは自ら増やす、もっと言えば、自分の仕事で更なる仕事を作ることは、収入のある期間を長引かせる彼らの知恵なのだ。
ヘルパーは、職人たちのファミリーで、普段は何もしないでゴロゴロしている人たちがなることが多い。
日本人体質からすれば、『どうしようもないヤツ』と言えるだろうが、この国の田舎ではけっこう沢山いて、堂々と日がなゴロゴロして暮らしている。
よく『タンバイ』(たぶん英語のstand-by から来ていると思う)と呼ばれる人たちだ。
「それにしてもようやるわ~」と感心していたが、最近あることに気が付いた。
日本人感覚では、あまり『勤勉』とは言えない熱帯人種。
何のことはない。
動いている時と、止まっているときの時間が同じくらいなのだ。
チョット手が動くと、突然スッと動きが止まる。
少しすると、また動き出す。
そして・・・・思い当たった。
動き出すきっかけは、誰かが近づいた時だったのだ!
いま現場は壁によって仕切られ、多くの細かいパート、パートに分かれている。
2階などは、『隣は何をする人ぞ』という状況だ。
『獅子脅し』が突然、『カッコ~ン!』、とか鳴り響きそうなほど、静かな雰囲気の時もある。
2人はなるべくひと気のない場所を選んで、仕事をしている。
他のワーカーの近くでは、常に動かなければならず、彼らの意にそぐわない。
私の観察によると、約3メートル以内に人が近づいた時に、動き出す。
感心するのは、後ろから寄ったときでもキチンと作動するのだ。
そ~っと行き、音を立てなくてもだ。
特にEの感知能力はすごい。
こいつは剣豪あの、塚原卜伝の末裔か?
『一の太刀』とか叫んで、手斧が飛んで来たらドウしよう。
いや待て、一部のヘビには鼻の辺りに、生命の発する赤外線を感知する器官があるという。
”ビット器官”と言うらしい。
第3の目だ。
それにより夜間、生き物の熱を探知して虫や小動物を捕獲する。
偶然の一致なのか、OもEも、そういえば、爬虫類系、ヘビ系の顔をしているのだ。
塚原卜伝の末裔が、こんなところでトントンしている・・・はずは無い。
彼らは、赤外線センサーを人体に備えた特殊な人間、というのが私の研究の結論だ。
(借り物画像)
爬虫類顔の代表。
ボクサー、マイク・タイソン(失礼!)。
全盛期の、あの図抜けた防御技術と桁外れの攻撃力。
彼も赤外線センサーつきだったのか?
そういえば、キャリアの晩年、よく彼は相手に噛み付いていたな。