めまいがしてくる
(エンボイが1Fキッチンで)
棟梁エンボイが、キッチンのセメント窓枠をサンダー(電動グラインダー)で削っている。
ここは、新米左官(給料はヘルパーと同額)のB兄弟の弟が、先日仕上げたところだ。
エンボイは、防塵マスクをしてモクモクとセメント埃りにまみれている。
私:「エンボイ!何してんだ?」
エンボイ:「(目が)ニタニタ・・。」
私:「何で窓枠、削ってるんだ?」
エンボイ:「ゴホッ、ゴホッ、サイズが違うから・・・。」
私:「そこはどうせ、スライディング(引き違い窓)じゃなくて、ジェラシー(ルーパー)だから、チョットくらい違っていても、かまわないよ、アジャストするから。 ほっとけ、ほっとけ~。」
エンボイ:「ゴホッ、ゴホッ、ペ~ッ、3センチ違うんだ。」
私:「エッッ~!(3センチも!!)」
エンボイはサンダーを止めて、メジャーを出し私に説明する。
幅50センチ高さ60センチの小さな窓で、上下で幅が3センチ違う。
しかも内側と外側で微妙にねじれて・・・。
(だから外側からも別のスタッフが・・・なんてこった!)
哀れ、エンボイ!
手下のヘマの後始末。
しかし私に言わせれば、まだ甘い。
2階の窓枠を見てみろ。
窓枠の厚みは約20センチあるのだが、ツラが傾斜している。
まともなデキなのは、あまり無い。
このことをエンボイに文句言う楽しみは、先にとっておこう。
エンボイ、男は、いや棟梁はつらいぞ。
(エンボイ、2階の廊下で・・・見にくいけど奥に立っている)
エンボイ:「どぅしようか?」
(眉毛を寄せて、悩んでる。)
私:「何が~?」
エンボイ:「(客室の入り口を指しながら)ここに廊下と3センチの段差が出来るんだ。」
私:「なんで~?」
エンボイ:「廊下が向こうとこっちで、坂(傾斜)になってるんだ。」
廊下の長さは、7.50メートル。
その長さで3センチの高低差は体感できない。
タイルを貼る時に水平を出そうとすると、セメントの消費量がまたとてつもなくなる。
・・・・・・・・・・
私:「高いほうの床をチョッとハツって、上手くやれよ。」
「入り口のドアのところで少し段差が出来ても、もうしかたないだろう。」
(それだけの腕なのだから。)
エンボイ:「ウ~ム・・・。」
正直というか何と言うか、私はエンボイのこういうところが、良いと思う。
手下にビシバシと指示を出すわりには、自分でコソコソと後始末をする。
(だから皆が彼の云うことを聞くのだろう)
エンボイは頭痛持ちだ。
案外原因は目が遠視のせいだけではなく、こんな性格にも有るのかも。
私事だが、このフウテンも頭痛は無いが、胃痛がある。
以前は『缶入り大田胃酸』を愛用していたが、何年も前になくなってしまった。
フウテンの場合、原因は酒とタバコであると思う。
治療法は更に量を増やし、胃を鍛えるのがベストだ。
酒タバコなくして、何の人生か!
しかしなぁエンボイ、お前も長生き出来ないぞ~。
ところで、フウテン一家、工事が佳境に入り、この頃は目の回る忙しさです。
奥様Mと2人で、連日『月、月、火、水、木、金、金、』と格闘しております。
しかし現場の連中は手ごわい?
この際フウテンパワーを現場に100%集中しようと思います。
髪の毛を金色にして、『スーパー(サイヤン)フーテン』になり、現場の連中と阿修羅のごとく対峙いたします。