”買い出し”という名の苦行
(セブ島、カルカル市のロータリー)
日曜日は、買出し日。
今日はセブ市だ。
朝7時、出発。
ドライバーが時間を守れず(=『フィリピンタイム』)、遅いスタートとなった。
(チャーターした車は、トヨタのハイエースのロングバン・・当然ドライバー込み)
今回の買出しはそんなに重くないので、バンで十分、下見も充分。
買出しのターゲットは、エアコン3台、照明器具約40器、各種ペイントと小物類だ。
目的地は、フィリピン最大手スーパーの『シューマート』のセブ支店、とメガホームセンター2店、計3箇所だ。
(途中のカルカル市の『ジョリビー』(フィリピン最大手ファーストフード)で朝食。ドライバーにもおごる、この国の流儀だ)
(セブ市のホームセンター『シティハードウェアー』には、10時過ぎに着いた)
(ペンキ売り場)
(フィリピンでは貴重な、仕事熱心で気が利く店員ブライ〇〇)
もうここは3度目の買出しで、彼にチップを渡して手なずけている。
店に着くなり、彼ブライ〇〇が買い物にアテンドしてくれる。
フィリピンでは、従業員の質はピンキリであるから、良い店員を見つけたらチップを渡して懇意にしておくと便利だ。
スムースに事が運ぶ、チップは便利だ。
それが時間の節約、おカネの節約につながるのだ。
ブライアンのお陰で、手際よく、ドア用、天井用、壁用の塗料をゲット。
12時前にスーパー『SM(=シューマート)』に向かう。
日本でもチョットないほどのフロアー面積、だだっ広いショッピングモールだ。
到着してすぐ、日本食レストランで昼食(ドライバーには日本食ではなく昼食代を渡す・・これもフィリピン流)。
家具や家電製品の下見をして、
(例えば一式60万円の応接セットとか・・・ウ~ン、見るだけだ)
当てずっぽうだが、フィリピン人が値切れば6掛け、白人なら8掛け、日本人なら1割引き・・・かな。
エアコン売り場へ行く。
以前下見しているので、機種は決まっている。
一体型の日立の750ワットを3台だ。
この国の田舎では、セパレートタイプ(=室外機と室内機が分かれている)より、一体型のエアコンがまだ一般的だ。
一体型は音が気になるが、修理のこととか考えると無難だ。
本当は1キロワットくらい必要なのだが、フィリピンは電気代がバカ高いので引いてしまう。
ここからがフィリピンスタイル。
購入品が決まると、在庫があるかどうかチェックする。
無い場合は、いつ入るかわからないのでその品は買えない。
振り出しに戻る。
運よく有ると、それを遠い倉庫から売り場まで持ってくる。
そしてひとつひとつ梱包を開けて、キチンと動くか、冷風が出るか、チェックし客に見せる。
店員が5人くらい集まってきて、実に要領悪くこれらの作業をする。
レベルの低い店員は、見物して雑談するだけ。
ある店員などは・・・
ア~、バカバカ、梱包に入っていたプチプチクッションを指でつぶして遊んでいる。
このたわけ者め!
もうこのあたりになると、こちらも時間の余裕がなく写真など撮っている場合ではない。
ようやく無事動くことが確認されると、梱包し直し、台車に乗せレジまで運んでいく。
(キャッシャー)
ここでまた長々とかかって、保証書登録(=ほとんど機能しない実態ゼロ)やら支払いを済ませる。
それが済むと、皆でゾロゾロと台車で、駐車場の車まで持っていくのだ。
(チップ目当てだ、仕方ないので渡す・・・これもフィリピン流)
買い物には、とても手間と時間がかかる。
ちなみにこのエアコン購入には、車に持ち込むまで2時間ほどかかった。
レジ担当が不慣れなのが痛かった。
もちろんその間、時間を無駄にはせず、その場は奥様Mに任せ、私は照明器具売り場を疾風のように駆け巡っていたのだ。
しかし気に入った照明がなかなか無くて、一部の蛍光灯などを購入するのみにとどまった。
そして、以前めぼしを付けていた、照明器具ならココだ!という『ホームビルダーズ』というホームセンターに行く。
『どうだ~!』というくらいの盛りだくさんの展示品を検討して、やっと何点か決め、「これを欲しいのだが・・・。」というと在庫確認に走る。
「それは1点しかありません。」
3点必要なので、諦める。
しかたなく、つぎの候補について聞く。
これも揃わない。
「じゃあ、どの品が何点在庫が有るか教えて欲しい」と聞くと、種類が多いので一度に全部は答えられないという。
次はいつ頃に入庫するとか言われても、まず当てにならないし、第一こちとらは、ど田舎から車をチャーターして、一日がかりで来てるのだ。
奥様Mと2人で、だんだん自棄(ヤケ)になってきて、もう有るのでいいから、適当に決めちゃおうかと、破れかぶれになって買おうとしたら・・・
『今、5時になって倉庫が締まったので、今日はもう売れない』だと!
『日曜日は5時閉店です』と。
早く言ってくれ、それを。
結局、トイレとシャワー室の照明を購入したのみだった。
脱兎のごとく飛び出して、バンを走らす。
携帯で、朝行ったシティハードウェアーの子飼い(?)の店員ブライ〇〇に連絡。
「そっちは何時までだ?」
何、6時までだと!
「よ~し!、今から行くから、まってろ~!」
高田馬場はまだか~!
と、堀部安兵衛も真っ青の韋駄天走りで、たたらを踏みながら、かぁ~けこんだ~!
「ブライ〇〇!、さっきのペイントあと4ガロン必要だから、レジに持ってけ~!」
「それが済んだら照明器具売り場にいるから、すぐ来い!」
ブラ:『イエッサー!』
(チップが効いているぞ。)
ところが閉店まぎわの他の店員達は、まったくやる気無し。
ただ一人、ブライ〇〇だけがせっせと動く。
しかし、タイムアップ!
目的は達成できなかった。
途中で夕食を掻っ込んで、ヤサに帰ったのは、やはり夜9時過ぎとなった。
それから、現場のボロ屋の2階に買出し品を運び込んで・・・。
・・・・・奥様と二人でグッタリしてしまった。
一筋縄ではいかない、フィリピンでのお買い物なのだ。
・・・・・
ナンカ今日も、時間があっという間に過ぎて・・・。
・・・・・
明日朝からまた現場で、エンボイ組と丁々発止だ。
思うに、奥様Mとこのフウテンオヤジ。
夜討ち朝駆け、休日なし、高度成長期のモウレツ社員さながらの慌ただしい日々。
・・・・・・
いつまで・・・続く・・・ことやら・・・酒喰らって寝た。
*あらためて記しますが、このブログは10数年前の、セブ島での私どもの生活のクロニクル(年代記=記録)です。記事・画像も当時のものを紐解いております。
今から5年前に帰国して現在、私は日本在住の高齢者、フウテンジジィであります。