2階の便器
(2Fのトイレ&シャワー)
内装に入ってから、目に見えてスピードダウンの現場。
これはエンボイ組の工事を長引かす作戦なのか?
はたまた、本当に情けないほど能力がなくて、少しずつしか出来ないのか?
その判断は非常に難しいところだ。
過去に勤務したビーチリゾートで何度か経験しているが、あるプロジェクトの終わりが見えてくると進まなくなる・・・という世にも不思議な現象が、往々にしてこの国にはあるのだ。
工事が終われば、日雇いの彼らは糊口をしのぐことが当分は出来ない場合が多い。
こんな田舎にはそうそう働き口は無いからだ。
その手口は巧妙にして細心だ。
例えば木の表面を紙やすりで磨く作業をしているとする。
ほとんど磨り減ったただの『紙』で、撫でるようにこすり続ける。
そうすると、いつまでもその作業を延々とすることになる。
左官は、ボロボロとセメントをこぼす。
すぐにすくい取って混ぜればまた使えるが、(ワザと?)ほって置く。
すると固まるので、それをコンコンはつったり剥がしたりする作業が、つまり新たな仕事が仲間に供給されるのだ。
試しに始めたペンキ塗りは、2度塗りで充分なところを3度4度と塗ろうとする。
あらゆる手口を試みて現場に、職にしがみつこうとする。
おもちゃ売り場から離れない子供と大差ない。
堂々とサボるのではないし、彼らの事情も分かるので、対応に困るのである。
今日は今日とて、2階の便器と洗面台の設置をやらせてみた。
結局、ひと揃いの洗面台とトイレを付けるのに、男2人で丸2日かかってしまった(冒頭画像)。
しかも配管の取り回しが悪いので、またやり直さないといけない。
なんてこった!
どうにか終わって、そのままなので、奥様Mと2人で段ボールで養生(マスキング)しておいた。
全体が完成するまで後何か月掛かるか分からないのに、そのままにしておいたら、傷だらけゴミだらけになってしまう。
まったく、世話のやける人たちだ。
最悪、先にトイレを使われてしまうかも・・・・何も考えないヘルパーもいるから。
まぁ、恥ずかしながら白状すれば・・・
70年代、73年だったか、私の仕事場だったゼネコンのビル現場、降りていくのが面倒で、打ち終わったスラブと壁面に立ちションしたことが何度かあった。
(当時の現場アルアルだった)