❝時❞は勝手に流れていく
(セブ市マンダウエのホームセンター)
いつも見て頂き、ありがとうございます。
時は「10数年前」という❝中途半端な❞クロニクルのブログですが、沢山の方に見て頂いて感謝です。
プロフィールにあるように、私どもは5年前に日本に戻り、現在私は前期高齢者という名のジジィ、奥様は相変わらず何かと頑張っています。
子供たちは、それなりに成長しつつあり、私の言う事など一切聞いてくれません。
ほとんど無視されています。
(私と彼らとは2世代違いますから、無理もないでしょう)
さて、再び時間を10数年前に巻き戻します。
(掘り出し物の3灯ペンダント)
(壁照明売り場の展示の一部)
例によって、日曜日はお休みではない。
奥様と二人で買出しの日、昨日は、セブ市。
朝6時半の出発。
照明器具とその他諸々の必需品の買出しだ。
車をチャーターして6時半出発。
3週間前に、時間切れで少ししか買えなかった照明器具とペンキの追加分、その他の小物を買いに行った。
いつものように駆け足で、巨大なホームセンターとショッピングモールのハシゴだ。
奥様Mと2人で、店から店、売り場から売り場へ疾風のように駆け巡った。
セメントや鉄筋、砂、砂利、材木など資材店に電話注文して届けてもらえば、それで済んだ。
しかし、工事が進むと勝手が違ってくる。
資材店には無いものがほとんど。
しかも例えばペンキひとつにしても、色、種類、ブランド、性質など様々で自分で勉強して見て選んで買うしかないのだ。
時に失敗もする。
例えば上の画像。
ボイセンのアクリテックス・リデューサーとプライマーです。
これが何だか、言える方いますか?
私も知りませんでした。
だいたい、種類が多すぎる。
70年代の住宅用塗料は、油性か水性か、ツヤありかナシか、その程度だったと思う。
今はずっと複雑で、機能別、段階別でココに書くのさえも煩わしいくらいなのだ。
また比国では、ヨーロッパやアメリカのブランドが豊富で、同じ目的のペイントでも呼び方が違ったりして、フウテンのようなジジイには、驚くことばかりだ。
とにかく毎週、予備知識を蓄えてからエッチラオッチラ、買出しざんまいだ。
しかし、この買出しも、始めた頃は夜帰還すると『もう、ヘロヘロ!』になってしまったが、この頃は、帰りの車中で、奥様と次の買出しや月曜からの現場の作戦会議をするほど、余裕のヨッチャンだ。
『慣れ』というのは、すばらしいことだ。
だが、ただ『馴れた』だけで、私が進歩したとか、体力がついたとか、そういう事ではないと思う。
むしろ大変なのは、フウテンに付き合い振り回される奥様である。
私は「団塊世代のミソッカス」であるからして、休日無しの ❝月月火水木金金❞ 的生活には経験と耐性がある。
が、奥様はそうではない。
奥様の世代は、私の世代とは半世代違う。
東京オリンピック後の〈高度成長期〉に生まれた世代なのだ。
例えば、小学生の頃、発熱とか病気なのに学校へ行ったとする。
フウテンの時代は・・・
「えらい!よく我慢して学校へ来た。」
「根性があるぞ!」
「みんなもフウテンを見習え!」
と誉められたものだ。
奥様の時代は・・・
「なぜ、来たの?」
「熱がある時は、薬を飲んで家で寝てないとダメよ。」
「すぐ、帰りなさい。」
(ナンカあったら、先生が困るから。)
とまるで正反対の時代だ。
それに、いつもセブの田舎でクスンでいる奥様が、都会のモールなどに行けばどうだ。
買えないまでも、あちこちの洒落たお店やブティックを見たり、女らしい買い物の楽しさを満喫したいだろう。
ところが実際はドウだ。
ゆっくり食事する暇も無い。
今日のお昼は、途中の日本食レストランで、カツどん、味噌ラーメン、餃子を2人で分けた。(週に一度の贅沢だ)
埃っぽいホームセンターで特殊な釘を探したり、壁下のモウルディング材を検討したりで、デパートに行っても、おしゃれ着やアクセサリーに、物欲の溜め息をついたり出来ないのだ。
フウテンは、心の中では三つ指ついて奥様に謝っているのだ、いつも。
くちでは、「早く食べよう。次は壁の照明を探すから・・。」
「どうせオシャレな服を着る生活なんか、もう縁がないんだよ・・・」
・・・とか言っているが。
クラブハウスが出来たら、ゆっくりと《普通の》ショッピングに来よう。
・・・とかお茶を濁したり。
(真実は、違う。 クラブハウスが終われば、引越しやコテージ建設、その他ごちゃごちゃがあり、バタバタ劇は果てしなく続くのだ。)
「欲しがりません、勝つまでは!」とか訳のわかんないこと言ったりして。
奥様の頭を混乱させて。
私の言いなりになってもらっているのだが。
ところが、奥様も抜け目がなかった。
小娘とは違う。
巨大モールを出て帰還の途に着こうとしたとき。
私はチョット隙を突かれてしまった。
奥様はササッと出口の脇のスターバックスに駆け込み、お好みのドリンクをせしめたのだ。
車の中で嬉しそうに、満足そうにストローを使う奥様を見て、私はちょっとホッとした。
(・・・・いつもありがとう)