感謝感激 セメントあられ
(路線バスの車窓から見たスミロン島=画像中央の低く小さな島。その両脇は遠くのネグロス島)
クラブハウス道路側の外壁の仕上げを始めたのは、もう10日も前のことだ・・・・・
(6インチの重量ブロックの面を、1.5インチ厚でモルタルを仕上げていく。右端はまだ残してある『ボロ屋=古民家の2階屋根)
(その前に、窓枠周囲と庇を決めとかないといけない)
西側と東側の外壁は、建物のデザイン上、てっぺんまで続いている。
屋根の出っ張りや、『軒(のき)』というものが上に無いのである。
長方形の上に二等辺三角形を乗せた、大きな壁といった感じだ。
「フィリピンではどこにでもある、”チャペル”風な側面の外観にしたい」と、私はこのデザインを取り入れ設計した。
(シンプルな構造の建物なら、ド田舎の職人たちでも手に負えるだろう、と云うのが第一の理由)
専門的にどう分類されるのかは、知らない。
喩えて云えば、昔の2階建ての木造小学校を、防火壁で切ったようなデザインになる。
したがって側面は窓に雨が降り込みやすいので、各窓の上部にコンクリートの雨除け庇(ひさし)を設計した。
(庇の施工中)
また柱は柱として、外観デザインの一部とした。
今回の西側外壁作業は、壁面の仕上げと窓の雨避けだけであった。
これに作業員7人で10日間かかったのだ。
半日くらいの時間間隔では、工事が進んでいるかどうか判断が難しいスピードだ。
時間を早回ししないと、進行具合が見えてこない。
例によって、ときどき足場に腰かけ「瞑想中」のワーカーもいた。
こういうワーカーは、たとえ早回ししても動きはない。
そして例によって、セメントを下に撒き散らした。
つまり・・・・・
時々、ダダ~ッと雪崩のような音がする。
壁に塗ったセメントが、雨あられと崩れ落ちるのだ。
家の中にいても良く聞こえる。
日本の春先の雪山を思い出させてくれて、懐かしい。
有り難いが頼んではいない。
途中から奥様が文句を言ったので養生したが、それまでに充分施工済みの窓をセメントで汚してくれた。
マスキングしても、何故かすぐ外されてしまうことが度々だ。
前にも書いたが彼らの辞書には、養生とかマスキングとか節約という言葉はない。
おかげさまで、新たに3度目の窓の掃除という仕事が出来たし、まだ引渡しも済んでいない高価なブロンズガラスに、数箇所の傷をプレゼントしてくれた。
ありがとう、君達、きっと私は忘れないよ。
おまけに、ブロンズカラーのサッシのレールの塗装も、一部剥げてガビガビになった。
セメントの強いアルカリのせいだ。
(セメントのアルカリで塗装が剥げた窓の下枠)
(これは窓の上枠)
外壁仕上げの前に、窓屋が来てしまった段取りの悪さは、私にも責任がある。
が、あまりに仕事が遅くて、窓屋の予定がきてしまったという事になる。
しかし、こんな事態までは予測できなかった。
感謝感激、雨あられ、セメントあられ、である。
しかし、私フウテンは屁はたれるが、へこたれない。
負けません!
次は南側の壁面。
そろそろ戦闘モードに突入だ。
(無論上の方から仕上げていく)
(やっと出来上がった窓の庇)
上の画像の2か所は、ジァラシー(ルーパー)窓なので、まだ嵌めていない、「セーフ!」である。