秘密基地への通路
(クラブハウス2階の物置の中)
(セメントの壁に穴をあけ、アングルバーをセットするエンボイ)
さて屋根裏への階段がある住宅は、今は少ないと思う。
私のいい加減な記憶では、昔の日本の家は、今よりももっと独創性があったような気がする。
その家その家の生活に根ざした機能性が、あったような気がする。
『屋根うら部屋』に上がる梯子(はしご)、なんてのもあった。
昭和30年代に団地が出来始めてから、住宅の形態が均一的になったような気がする。
マァそんな話はともかくとして、もともとウチのクラブハウスには既成観念はない。
限られたスペースではあるが、機能的に必要なモノを必要なところに作ればいいと思う。
前に書いたように、広大な屋根裏がある。
通常、天井裏への入り口は、人がやっと通れるくらいの大きさで天板が外せるよう施工するのが常である。
しかしウチの場合、それでは屋根裏の広大なスペースが宝の持ち腐れとなる。
所詮は天井裏・屋根裏であるが、将来何かができるかも知れない。
クラブハウス2階には幅50センチ奥行き2.8メートルの物置がある。
これは当初幅80センチだったのだが、周りの壁が厚すぎて50センチになってしまったのだ。
狭くなった幅の利点?を生かし、ここの天井を貼るときに、天井裏への穴を作るよう頼んだ。
余談だが、日本語でなんと言うかわからないが、ここでは『マンホール』という。
マンホールと言えば、日本では地面に開いた穴やその蓋のことだと思うが、マンホールと言わないと通じないので、私もマンホールと言っている。
(特大のマンホール? 長さは4フィート=約120センチ、幅は50センチ)
普通サイズよりだいぶ大きい。
そして今回エンボイに、ここにはしごのような階段を作るからと、壁に鉄のアングルバーを埋め込むよう頼んだのだ。
このブログでお馴染みの様に、私とエンボイは、立ち位置の違いからよく対立する。
しかし、私は彼のウデと職人としての気概を認めているので、”フォアマン(=棟梁)”から外す気はさらさらない。
それ以前に男として、私は彼が(おそらく彼も私を)好ましい人物と思っている。
だから、ここ一番という作業は、私はエンボイにひとり仕事で丸投げする。
このアングルバーを階段として、さらにそれぞれの段々の奥は収納スペースとすることに決めた。
つまり本棚の段々を斜めにしたような感じで、階段&収納の2ウェイとするのだ。
アングルバー自体の強度は充分だが、上に張る1インチ厚の板を補強するため、2×1(2インチ×1インチ角)の木枠を組んだ。
(ペンキの下塗りをして、板を張っていく)
(ほぼ出来上がり、左壁の赤いのは照明スイッチの配線)
ステップは床から1mの高さまで。
床上まで階段にすると、奥のスペースが死んでしまう。
奥行きは2.8メートルもある。
これはこれで立派な収容スペースだ。
階段を上がり天井裏に行く時は、床に台を置けばいい。