ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

リストラ・・・人事の問題

(大棟梁:エンボイ)




頭痛・・・・


私ここ10日ほど、どうも頭の芯が痛かったのでした。


前額部から中心にかけて、ひどい時は朝から夕方まで重ったるかった。


その昔ダイビングインストラクターになる前、1本のタンクだけでお客様の3本のダイビングに付き合うとか、そんな修行と云うか訓練をしていた時の、酸欠の頭痛に近い。


呼吸数を1分に1~2回にコントロールし、身体や脳を酸欠状態に慣らす、どんなに動いていても。


今思えば、とんでもない理不尽な練習かも知れない。


その後遺症か?


あるいはこれはいよいよ、すい臓がんに続き、脳腫瘍かと、年貢の納め時かと、覚悟いたしました。


マァそこそこ生きたし、こんなもんでもいいかなと諦めかけておりました。



ある夜です。


あり得ないことに、手持ちの酒が切れたのとどうにも眠くて仕方無いので、寝酒の量が普段より減ってしまいました。


とたんに翌日は朝から、頭がすっきりして、寝起きがいい。


何のことはない。


年のせいか、連日5時間程度の睡眠では、酒が抜けにくくなっているようです。


つまり酒が残っていた。


言い換えれば、二日酔いで頭が痛かったのが真相のようです。


毎日酒が残って頭が痛いのに、ちっともそれに気が付かない。


なんか脳腫瘍より悲しくなってしまいました。


この年で、こんな生き方でいいのでしょうか?





さて本題。


腕も、動きも、悪い、左官と大工の3人(A1、C、A2)を切った(解雇)。


同じ給料で、仕事がヘタでしかも遅いとなると、そう人数のいらない現時点では辞めてもらうしかない。


日本人、とくにフウテンなどは情に流されやすいタチなのだが、ここは割り切らないと。


これはプロジェクトであり、私は私個人ではないから。


元々彼らは、正社員でも契約社員でもない、云わば『日雇い』だ。



むしろこの連中を5ヶ月も雇っていた私は、お釈迦様のように慈悲深い人なのだ。


クラブハウスの壁が平衡感覚を失うような怪しい曲線を描いていたり、柱が菱形になっていたりとか、不届きな所業の数々は、だいたいこの3人の仕業である。




例を挙げれば、A1は愛想はいいのだが、仕事が遅くて下手、仕事の面で影が薄く、印象が無い。


仕事をしているのかいないのか、正体不明である。


たぶんサボリ上手なのであろう。




Cはというか、Cの場合は管理人オバチャンのLが絡む。


おしゃべり好きのLオバちゃんが暇にまかせて、作業中ず~っとCの傍に行き2人でしゃべっているのだ。


よほど気が合うのか惚れているのか知らないが、これが毎日だ。


いくらお国柄でも冗談じゃない、勘弁して欲しい。


Cの手は動いてはいるが、この状況では良い仕事はできる訳はない。


また双方が妻帯者なので、何かあれば刃傷沙汰となり、こっちにもトバッチリがくるのだ。


(以前ほかのリゾートでマネージャーをしていた時、スタッフ同士のそういう『問題』を経験した。リゾートに石を投げられたり、銃弾を撃ち込まれたり、水を停められたり、道路を封鎖されたり。。。何でもアリだった。)




A2は、新品の屋根の表を釘とセメントでガビガビの傷だらけにして、奥様Mの目じりを2センチも吊り上げさせ、フウテンは彼に殺意を抱いた。


非常識極まりない。


文章では実態は伝わりにくいが、つまり、『新車を買ったのに、セメントをぶっ掛け、さらに乾いてから、鉄の爪でガリガリこすられた』ようなものだ。


そして自分では、悪いことをしたとか、失敗したという意識が全然無いから、始末におえない。


損害賠償を請求したいくらいだ。


A2は豚をさばかせるとプロだが、はっきり言って、そのスキルは左官や大工には無用だ。




(内容が内容なので、以上の3人の画像は出しません)



以上の3人を首にした翌日は、現場がすっきりでワーカーの動きが良い。


前回ヘルパーの若者達を6人辞めさせたときもこんな感じだった。


こういう人事は、たまに必要なのだ。


やはりLおばちゃんは、お目当ての彼が居なくなり、現場にあまり寄り付かなくなった。






この国の労働者の特徴がある。


一般的に言って、長く居ればいるほど、仕事をしなくなる。


『アキっぽい』のだ。


極端に云えば、”仕事しなくても食っていける” 熱帯の気質。


雇うほうも心得ていて、この国では6ヶ月契約の雇用(コントラクト)が非常に多い。


それ以上長く雇用しても、働かないか悪さをするだけなので、終了してまた新たに別の人材を採用するスタイルだ。


雇われる側も承知の、云わば”常識”だ。


フィリピンには、仕事をしていない人はいくらでもいるので、募集は簡単だ。


この国のサービス業の従業員の質が悪いのは、そのせいだと言える。


中にはよく働く人がおり、その場合新たに6ヶ月の雇用延長があるが、その際も、一度契約終了で解雇扱いとする。


継続して雇用すると『正社員』としての権利が生じ、雇い主にとっては何かと不利になるからだ。


(たとえ臨時雇いであっても6ヶ月以上雇用すると、被雇用者に法的には正社員と同じ権利――有給休暇、病気休暇、社会保障、健康保険、退職金制度、13か月サラリー=いわゆる『ボーナス』などが発生する。)


喩えはわるいが、内縁の妻でも、法的には正妻と同等の権利があるようなことだ。



これが経営者にとっては厄介なのだ。




・・・・長くなったので次回に続きます。

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