ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

エンボイの策略

(名人:ロッキー)



前回の続きです・・・・



私フウテンも気を良くし仕事していると、妙な噂が入ってきた。



3人首切りの前日・・・・・・


エンボイが、左官職人NO.1のロッキーに「お前が辞めれば、ここで他の1人が首にならないから、お前が辞めろ。」と言ったという。



(フィリピン人が大好きな『噂話』だ)




さりげなく皆から事情聴取し、話を総合するとこうだ。



ロッキーには、他の現場からの引き抜き話がある。


そこでロッキーがそっちに移れば、ウチの現場の一人がクビにならずに済むからという話だ。


ロッキーに他から声がかかるのは、彼ほどの腕なら当然、『引く手あまた』と言う訳だ。


そういう話があるのは、たぶんウチのスタッフでは唯一だろう。




しかし、エンボイの反応はいかにもフィリピン的だ。


あきれ返ってしまう。


雇用者や会社に対する『忠義』など、かけらも無いのか(ないだろうな)。



職場のチーフが、わざわざ優秀な人材を辞めさせて、無能な人間を残すように動くというのは、日本ではまずないように思う。


エンボイ自身だって、『フォアマン』=棟梁としてロッキーが居なくなれば困ることがあるわけだ。


誰のお陰でメシが食えているとか・・・考えない。


義理も人情も存在しない。


全く、いいタマだぜ、エンボイ。



考えようによっては『仲間おもい』と言えなくも無いが、違う。



日本的な考えだが、『棟梁』なら現場のことを考えるのが順序として先だろうし、人事に不服があるなら、棟梁の立場から私に言うべきだ。



こんなエンボイのようなフィリピン的思考には、ホント困る。





真相を確かめるべく、私はロッキーがひとりでやっている時に、本人に確認した。



ロッキー曰く・・・・


『確かに、エンボイからそのように言われた。』


『しかし、ここでもうオレが必要ないといわれたら辞めるが、自分を必要とするならここで働く。』



『だいいち自分のことは、自分で決める。』


とエンボイに答えたと言っていた。




『自分のことは自分で決める。』


と言い切るのは、しがらみだらけの田舎のフィリピン人には結構勇気がいる。


ロッキーのそういう職人らしさが、私は大変好ましいと思う。



エンボイは今回、自分の策にハマってしまった。


その証拠に、エンボイは自分の仲間からその悪だくみをバラされているのだから。





以下は本文には関係ない蛇足です。


「胃がん」とか「膵臓がん」とかブログに書くと、たまに本気にしてご心配いただきメールが来ます。


ご心配なく、ただのヨタ話です。


私は幸い二親に丈夫な体を貰いました。


10代から体力には自信があったし、健康診断も何十年もまったくしていません。


それが最近年のせいか、其処此処に変な違和感があり、半分それが自分では可笑しくてネタにしているだけです。


しかも、私は好き好んで外国に居るわけですし、実際その場になったら分かりませんが、いざとなったらジタバタしないようにしたいと、常々思っておりますです。


以上。



*記事から10数年後の追記です。
 まだどうやら生きています。

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