まだまだ作るぞ! キャビネット
(これはランドリールームのリネン用のキャビネット)
DとVに担当させているキャビネット作り。
日本と某国々の関係ではないが、『過去にいろいろありました』。
しかし、私には彼らにチャンスを与える義務があると(勝手に)思い込み、性懲りもなく次のオーダーを出した。
ウチは『職業訓練所?』、まぁ何でもいい、彼らに様々な経験をしてもらう。
彼らの家計と村も潤うし、ウチも助かる。
”三方善し”と云うか、ウィンウィンの関係でありたい。
もう彼らの技量は把握したので、今回は実力に見合ったキャビネット製作を頼んだ。
私の書いた図面は全てドア無し、要は単純な『棚』だ。
・ランドリールーム用吊り戸棚。
・キッチン用吊り戸棚。
・事務所用ボックスキャビネット2個。
・トイレ用吊り戸棚。
・洗面所用吊り戸棚。
以上の6本である。
大量発注だ。
(キッチン用の吊りキャビネット、作り始めたところ)
(キャビネット、キャビネット、キャビネット)
作業場は次第に椰子の木陰に移って来た。
涼しい風が吹いている。
これはDが長さを間違えたことに気が付き、あとでバッサリと切っている。
もう塗装も半分終わっているのに。
いずれもドアだの引き出しだのという、彼らにとっては難物を付けない。
日本なら、『日曜大工初級」である。
しかも塗装は、全て白のクイックドライ(速乾性)のエナメルペイントとした。
失敗を隠したコンパウンドが見にくいし、フィリピン風ペンキの厚塗りには、これが一番だという結論に達したからだ。
果たして、私の予想通りのデキとなって、彼らも私も満足であった。
(もっとも私の満足と彼らの満足は、意味合いに於いて違いがあるが。)
特に引き出しやドアヒンジの取り付けが無いのが、彼らの精神を安定させる効果があったようだ。
また私にとっても市販のキャビネットは、ピッタリのサイズが無いし、材質が木でなくチップを固めた物、もしくはプラスチックなので、如何にも安物ですと言っているようで面白くない。
私個人は構わないが、お客様には失礼にあたる。
そして何より、彼らに作らせることによって、彼らに仕事=収入ができる。
給料を払えるのだ。
私は同じ金なら、品物の代金として都会の家具店に払うより、給料として地元の村人に渡したい。
何度もしつこく書くが、地元に雇用のチャンスを、という現場のテッパンのポリシーに合致する。
その代わりやる気の無いのは、情け容赦なく首を切る。
これは『フィリピンスタイル』だし、リゾート建設はビジネスとして割り切るべきだ。
と同時に、能力がなくても意欲のある人は、ミスしても教えながら使っていく。
しかし、日本人であり、また彼らと同じロクデナシの1人である私フウテンとしては、実は首切りはいつもかなり心が痛むのである。
DとVのコンビのうちV(Dよりウデが悪いが年長者)を他の仕事にアサインしたので、Dと最近入ったペンキ塗り職人のSが急きょコンビを組んだ。
Vはひょっとすると、うるさい私の直の配下で仕事をするのを嫌ったのかもしれないが、ペンキ塗りが下手くそな(ご本人はそう思っていないが)Dに、ペンキを塗らせないで済むので私としては結果オーライだ。
(これも横のサイズを間違えて、切っているところ)
(キッチンのキャビネット)
(ランドリールームのキャビネット)
(1Fシャワールームのキャビネット)
(2F洗面所のキャビネット)
ちゃんとして見えるのは、写真だからというだけではありません。