着々とコテージ作り
(上はクラブハウス2階の壁と天井。柱の出っ張りがある)
さて、第一コテージの設計で、私がまず検討したのは柱だ。
上の画像のような、室内の”壁の面からの柱の出っ張り”がイヤなのだ。
コテージには似合わない!
柱の面を壁と同じ、ツライチにしたい。
じゃ、どうするか?
強度を落とさず、柱を薄くすればいいのだ。
コテージは平屋だし、ビーム(梁)は施工する。
そのビームの上部は、ニッパ葺き屋根と軽い木材だけの構造になる。
したがって、2階建てのクラブハウスのような、30センチ角の16ミリ鉄筋が盛り盛りな柱は必要ない。
極論すれば、コテージはお客様が快適ならばいいのだ、と私は思っている。
(こういう私の割り切った考え方と、石頭棟梁エンボイの経費と安全率掛けすぎの建築基準が、うまくバランスしているのだろう・・・とたまにはエンボイも誉めておこう。)
実際、1年中温暖(と言うか暑い)だし、何百年も前に建てられた石灰石を積んだだけの教会が、平気でいくつも残っているほど地震の少ないフィリピンのビサヤエリアでは、諸事情は日本と違ってくる。
私は、中間柱は長方形にして仕上げ後の壁と同じ厚さ、角の柱も正方形でなくカギカッコの形にすることに決めた。
そうすることによって、外からも内からも柱の出っ張りはなくなる。
強度的にはどうかというと、柱を長方形にしても同じ数量の鉄筋を使うし、カギカッコ型柱にいたっては、通常より縦筋を2本多めに入れバンドも複雑な形になるので、強度はむしろ増すはずだ(たぶん)。
こういう怖いものなし設計は、素人の強みだ。
(長方形の間柱の鉄筋)
(角に建てるL字型の柱の鉄筋)
(立てるとこんな感じ、カギカッコ形の柱)
(これはリビング中央の円柱ポスト)
柱の基礎は、地表から深さ1.2メートル(コテージの床からは2.2メートル下)で縦横1メートルもある。
(鉄筋入れて捨てコンして)
(こんな深いところから、ブロック積み)
カギカッコ型ポストはセメントを打つとこんな感じだ。
壁の中間ポストはこんな風に。
エンボイの仕事なので、私が黙っていても、柱と壁のブロック積みは過剰に鉄筋で繋いである。
彼は鉄筋で建物を補強するのが、趣味であり生きがい、鉄筋=命=鉄筋教の信者なのか。
とにもかくにも、クラブハウスの細部の仕上げに並行して、このようにコテージが怒涛の勢いで進行中である。
もちろんこのままスムースに完成するはずはなく、これからゴチャゴチャと問題が起きてきて、奥様とフウテンは、南洋にはあるまじき、休む間もなく忙しない日々を繰り返すのである。
予想通り、最初の問題が発生した。
鉄筋が足りなくなった。
エンボイと二人で見積もって、しかも20%も多めに購入したのに・・・エンボイめ!