マツリだッ、祭~りだ!
(フィリピン版『ちまき』のような”プソ”)
子供の頃から仕込まれるのか、大抵の女性&子供は器用に編む。
さ~て、村のフィエスタ(お祭り)だ(=ある年の8月)。
長年スペインの支配下にあった『ラテン系』?なフィリピンでは、いつも何処かしらでお祭り(=フィエスタ)がある。
私フウテンなどはもう食傷気味でいちいち行かないが、日本から来る方や、年数の浅い在留邦人はけっこう楽しめるし、ハマる。
かく言うフウテンも、比国に来たての頃は毎年徹夜で一緒に騒いだものだ。
村や村人にはお世話になっているので、ここは『ウチの現場も何かするべきだ』という奥様の強い勧めで、職人達の慰労をすることになった。
奥様の提案は、だいたいが理に適っているので、非常識人間のフウテンは反対しないことが多い。
ハラの中でその費用の計算と、工事に与える影響をシュミレーションするだけだ。
宴会のスタートは現場仕事が終わってからだが、奥様とスタッフJ、管理人のオバチャンLは朝から準備で大忙しだ。
最近のフウテンは、こういう祭事・催事にはあまり気が乗らないので、「勝手にやってちょうだい。」とカヤの外に居るのだ。
メニューは、豚肉のBBQ(バーベキュー)、カツオ(ソーダガツオ)の焚き火焼き、そして冒頭の『プソ』。
『プソ』とはもともとフィリピン語で、『心』とか『心臓』とか言う意味だが、ここでは、椰子の木の中心の黄色い若葉で編んだ容器の中に、米などを入れて茹でたライスだ。
この袋というか容器が、心臓の形をしているのでプソと呼ばれるのだと思う。
プソ、器用に編みます。
大きく見えるがもっているのは3歳児、大人なら手のひらに乗るサイズ。
JとLのダブルおばちゃんズが、手際よく串に刺す。
職人のひとりが木端で焚火して、炭を作った。
刺し終わった焼き鳥の一部。
Lオバちゃんが手当たり次第に焼く。
かなりワイルド。
待ちきれない子供はつまみ食い(私もつられて食べた)。
マズいわけがない。
別の火では、ソーダカツオの子の炭火焼き。
また別の焚火では、プソを茹でている。
敷地内は、焚火だらけだ。
プソの茹で上がりをカット。
飲み物はサンミゲルビール、トゥバ(やし酒)、ラム酒、コーラだ。
宴たけなわ(と言うか、食い物はあっという間になくなった)。
飲み食いの後の抽選大会。
皆ニコニコで、盛り上がっている。
くじ引き2度、全員に山盛りの景品。
みんなで記念撮影。
ラストは全員(15人)に、チキンの丸焼き一匹ずつをお土産として渡して、お開きです。
ヨタヨタと、ラム酒で酔った大工の巨匠:Dが寄ってきて、
『こんな宴を開いてもらって、大感激だ。これで家族が食べていける、アリガトウ、サンキュー。』
と涙を流さんばかりに喜んでいたが、明日になればさっぱり忘れるだろう。
他のスタッフも、一晩寝れば感謝など忘れてしまうだろう。
私などは、義理人情でガチガチのモロ日本人である。
しかし、お亡くなりになった赤塚不二夫さんではないが、この国では、彼らの場合は、『これで、いいのだ』、と私は思うのである。
この国の庶民は、”義理人情”に縛られたり拘ったりすれば、生きていくことは難しくなると思う。
きょうのことは今日のこと、”明日は明日の風が吹く”・・・というスタイルがこの地では似合うというか、正解なのだ。
熱帯アジアで唯一のラテン系の民だ。