ヤシ殻からアレを作る・・・後篇
(切り株に座ったLオバちゃんの膝の間には・・・)
コプラを取る道具や機械は色々ある。
上はココナッツミルクを作ったり、料理に使う時に使われる家庭用のもの。
実際の作業。
この画像では、道具は見にくい。
ちょっとオバちゃんにどいてもらった。
スプーンのようなモノ=道具が、座っていた切り株に釘付けされている。
先は平面で周囲をギザギザに切ってある。
ココナッツの内殻を両手で持ち、内側の白く乾燥した果実をガリガリと削っていく。
下にある黒いプラの容器で受ける。
このガリガリコプラを水で煮ながら、無漂白のとうきびシュガーを加えて煮詰める。
そこに炊いたもち米をぶち込んで、混ぜて蒸して出来上がり。
カップを使い、丸いお餅状にした。
庭のバナナの葉を受け皿代わりに。
現場の職人たちのおやつになった。
私は食べない(姿を消す)。
もし私や奥様が食べれば彼らの分が減る、それは良いことではない。
あくまで『職人たちのおやつ』だから、『区別』は肝心だ。
ところでこの食べ物、この村では『ビコ』と呼ばれている。
やたら甘いことはないので、私でも食べられる。
このほかにも、コプラを使った料理やお菓子は数多くある。
日本で言えば饅頭や団子と同様かそれ以上、フィリピン人が大好きな伝統的な食材である。
さて、私が必要なのはこちら(↓)、バゴルだ。
ところが8個有った筈なのに、翌朝見ると5個しかない。
おそらくどこかの犬が、コプラの残りカス目当てで、咥えていったのだろう。
自分の目的を達成したオバチャンは、私が必要なバゴルなど、すでにトンと無頓着なのであった。
サンダーとペーパーで、大雑把に磨くとキレイな模様が出てくる。
上手い喩えではないが、美術品扱いされる前、実用品だった古備前の壺のように、天然の柄が美しい、と私は思う。
ただカチンカチンのこの物体は、自然の産物だ。
燃やせば、炭になり、灰になり、自然に帰るのだ。
人間の造った『プラスチック』とは異なり、人畜無害の物質だ。
エッジを綺麗にして、さらに仕上げに入る。
作業はこの後も続く・・・時間があるときやって、コテージの内装が終わったら取り付ける。
ところで、みなさん。
トロピカルリゾートに行かれて、ココナッツの実からジュースをチュ~チュ~飲んだあとは、実を割ってもらって、固まる前のコプラをご賞味ください。
セブでは、『ブトン』と言いますが、乳白色のゼリー状でとても美味しいです。
栄養&滋養も満点ですよ。