サクサク未配達は〇〇の陰謀だった・・・前編
(これが『サクサクシート』を運んできたバイクだが・・・)
*サクサクシートとは、竹などの皮を編んで作ったアジアンテイストな建材。
壁や天井に施工する。
配達バイクが、ウチのゲート前でエンストして走らなくなった。
以前の記事(↓)で・・・・
「フィリピンスタイルのせいで、『サクサクシート』が届かず、コテージ1号の工事が遅れている」と書いたが、少々訂正しないといけない。
ある諜報機関からの調査報告に拠れば、『フィリピンスタイル』ではなく、あの『華僑』の陰謀が絡んでいたらしいのだ。
いきさつを述べる。
某国(←フィリピンだが)の、諜報組織のエージェント:J(←ウチのスタッフだが)からの、極秘情報が上がってきた。
ウチで注文したサクサクシートが来ない理由は、何者かがウチの名を騙って、サクサクシートの製造卸元に『キャンセル』の電話を入れた、というのが真相らしい。
(もちろん、ウチはキャンセルなどしていない)
我々はエージェント:Jを、数十キロ離れたジャングルの奥地にある製造卸元に、数度にわたり密偵として潜入させることに成功した。
その結果つかんで来た情報だ。
Jは探索の腕はいまいちだが、アンパンマンのように正直者で、得た情報は信憑性が高い。
更に、地回りの岡っ引きのL(←ウチの管理人のオバチャンだが)が、近所の聞き込みと、持って生まれた『オバちゃんの好奇心』で、得た情報に拠れば・・・・
製造元に、何者かが、ウチの名を騙って電話したという事だ!
内容は、『ウチは他から、サクサクシートを買うことになったので、配達する必要は無い、キャンセルだ!』と言ったというのだ。
岡っ引きのLは悪党ではないのだが、コイツは2重スパイの可能性が無くもない、油断ならないエージェントだ。
彼女の仕込んだネタは、鵜呑みにはできない。
しかし、このふたつの情報には、『キャンセルの電話』と言う共通点がある。
その何者とはあのWだ。
Wとは、あの正体不明の華僑の大物(ウチから、ちょっと離れたところで家を建てている、中国系フィリピン人のW)である。
10日ほど前のことだが、岡っ引き:L(←しつこいようだが、うちの管理人オバチャン)を通して、華僑の大物Wから「うちの『ブツ』を買い取らないか?」と言うヤミ取引の打診があったという。
「ブツ」は『サクサクシート』である。
『薬物』とかではない。
岡っ引きLの話によると、Wは天井をサクサクシートで張るために注文したが、半分届いたところで気が変わって、残りの半分をキャンセルしたという。
『今ある20枚のサクサクシートも要らないので、ウチで買ってくれ』、と言うことらしい。
ふざけた野郎だ。
私フウテンは思った。
サクサクシートは、そば屋の天ぷら月見そばと同じで、注文制作である。
出来上がってから、キャンセルは非常識だ。
まして理由を聞くと、『色がみな同じでないから・・・』云々はおかしい。
そもそも天然素材なのだから、色は微妙に違うのだ。
また、そこが『味わい』であり、それがミソ醤油、味の素なのである。
更に人を介して、『私に買え!』はないだろう。
ナメんなよ~ッ!
買って欲しければ、自分が来て『お願い!買ってください。』だろうが。
私は、こんなバカは相手にできない。
テメ~なんざ福建省に帰って、農薬餃子食って、メラニンミルクでも飲んでろ!と思ったが、こちらは小国日本の民であるからグッと堪えた。
岡っ引きのLには、以下のことをWに伝えてくれと言っておいた。
「ウチはウチで既に注文してあるので、Wのサクサクは買えない。」
「なぜなら注文した製品を断われば、相手も困るだろうし仁義に反する。」
「日本人は約束を守る。」
さて、それよりも、その『ナゾのキャンセル電話』は誰がしたのか(気になる)?
追加のミッションを、Jに与えた。
数日後、諜報員:Jが、製造元の携帯からナンバーを聞き出してきた。
その番号に、Jにかけさせた。
フウテン・・・(ワクワク)。
J・・・・・『通じない!』
(ワクワクして損した、オレのワクワク返せ。)
謎が謎を呼ぶばかりである・・・。
結論。
―――おそらく中国マフィアのW(いつの間にか、大物華僑から格上げになった)が、ウチに強引にサクサクを買わせようと企んだ。
そして、シンジケートに手を回し、電話や様々な妨害工作を図った。
これは私:フウテンの想像で事実と違うかもしれないが・・・
そうこうしていると、注文してから3週間、約束日から3日過ぎて、冒頭の画像の様に、サクサクシートが9枚だけ届いたのだ。
エンジンがかからなくなったバイクを、オバチャンが押して、コテージの方へ移動。
積荷のサクサクで、バイクが全然見えない。
(なんてカッコウだ)
そもそも日本ならあり得ない。
もろに道交法違反だし、カサはあるし重さも数十キロある。
これで山中のジャングルの村から、40キロも走ってきたのだ。
恐るべし、比国のジャングルの民。
『命知らず』というか、命が思いっきり危険なのを理解していない。
山から下りる道はともかく、沿岸道路(=ハイウェイ)はバス・トラック。自動車がぶっ飛んで走っているのだ。
(そうか、これも)先の大東亜戦争で、負けた理由のひとつかもしれない。
日本軍は死ぬ気で戦ったし、カミカゼ特攻隊は死を覚悟して飛んだが、少なくともこのバイク野郎は、自分の命が危ないのが分かっていない。