ジミな?シャンデリア?
1週間置いて、馴染ませ乾燥させた。
(前々回 ↓ からの続きです)
コイツ(↑)をどう料理するか?
それが問題だ。
”アイデア”というモノは机に向かって考えても、浮かばない時のほうが多い。
脳に刺激が必要なのだと思う。
刺激は、情報として主に目から入ってくるようだ。
私は、現場をアリンコのようにねり歩く。
アリと言えば話は変わるが、熱帯には厄介な”赤アリ”がいる。
ここセブ島も例外ではない。
大きさ3ミリ程度の小型の赤みがかったアリだが、攻撃的で噛まれると痛がゆい。
個人差があるが、虫さされに弱い体質の方は、ミツバチに刺された程度に腫れ、数日は痛痒い。
稀にショック(アナフィラキシー)を起こす人もいる。
(慣れている私でも、5分間は痛痒い。)
屋外では、アリの行列とアリの巣には近づかないことだ。
日本のアリとは違うのだ。
日本の黒アリは、『危険』という悪のイメージは無い。
小学生が、夏休みなどにゴッソリ捕獲して、観察日記など宿題ネタに出来るほど大人しい。
ところが、アリは生物学的には、『ハチ目・スズメバチ上科・アリ科』に属する昆虫。
最も危険なハチと云われる、あのスズメバチの親戚!か?
一般にはハチと認識されているミツバチよりも、赤アリのほうがスズメバチに近いらしい。
おのおの方、御用心召されよ!
その恐ろしさを身をもって体験したい人がいたら、熱帯地方で赤アリの巣を少し掘って、そこに足でも手でも置いてみるといい。
アッ!という間に総攻撃を食らう。
以前、マニラ郊外アンティポロで土方をした時に経験済みの私は、お金を貰ってもイヤだ。
スコッチの17年物以上なら考える。
(ただし、屋内に出没するアリは、噛まないか、噛んでも日本のアリ程度で怖くない。)
余談から話を戻す。
現場でこんな物を見つけた。
以前、撤去したサゴバックの木の残材。
ビーチに生える『サゴバック』は、『ホワイトレディ(=フィリピンで有名?な白いオバケ)』が棲むと云われている。
幹の直径は20センチくらいだが、それが10数本も、太いの細いの絡むように、クネクネと立ち上がりひとつの幹を構成する。
だから幹の直径は、1mを優に超える。
変った樹形だ。
木質は硬い。
たぶん熱帯特有の木だと思う。
こっちは枝、ビーチ側のフェンスに利用した残り。
職人達が、調理用に使っている。
これは幹の残り。
なんとなく閃(ひらめ)いた。
何本かを選んで、適当にカットして皮を剥く。
4~5日さらに乾燥させて、表面を磨く。
それを組み合わせれば、ココナッツのシェイドを持つ、“シャンデリア・モドキ”を作れる。
・・・かも知れない。
失敗するとみっともないので、スタッフから離れてひとりコソコソ作業する。
中華包丁で枝の先を削る。
幹に穴を開け、エポキシ接着剤を塗った枝を刺しこむ。
穴は枝の太さにより、21か24ミリ径、深さ4センチである。
念のため、隠し釘も1本打っておく。
こんな感じになった。
屋根のトラスの色に近い、マホガニーカラーのウッドステンを塗る。
ツヤが無いほうが良いと思うので、あえてニス仕上げはしない。
この股の部分をトラスに引っ掛けて、10センチ長の木ネジで動きを止める。
そして枝の先にココナッツランプをネジ止め。
1セット。
2セット。
このように仕上がりました。
形になってひと安心だ。
自分では、『素朴』過ぎるかなと・・・・
しかし、もし豪奢にすれば、壁・トラス・丸見えのニッパ屋根と合わず、違和感が出る。
ウ~ン・・・・
わが子と一緒で、自分自身は客観的には判断できない。
奥様に感想を聞くと、『すごく良い』という。
奥様は、フウテンのする事は、よほどムチャクチャでない限り、ケチをつけたり否定しないので、あまり参考にはならない。
フウテンはこれに巧くおだてられて、結果的に次々とヤッテしまうのだ。
本当の評価というものは、お客様が下す。
『珍しい』、それだけは確かである。