アジの干物を試作する
丸々と太ったアジ。
朝、管理人オバチャンLが、25センチほどのアジを5匹持って来てくれた。
ウチの前の海で、旦那のエベが獲った魚だという。
エベはひとり乗りの手漕ぎ舟で、浅瀬で気ままな刺し網漁。
一応『漁師』ですが、奥さんのLがウチでずっと働いているので、半分『ヒモ』状態。
聞くと15キロの大漁だったらしいので、遠慮なく貰う。
見ると、ウロコがまだ虹色ザナイトクラブで、目が生きている。
魚体が死後硬直でまだ固い。
獲ってから長くても1時間以内、とても新鮮だ。
いつもは手っ取り早く炭焼きで食すのだが、今回は干物を作ってみることにした。
ウチの前の海のアジは、見た目は日本の真アジと区別が付かない。
実際、真アジだと思うが、その~、アジ(味)が少し違う気がするのは気の所為か。
日本で食卓にのぼる真アジも・・・今や近海ものや国産は少ないだろうから、エラそうなことは云えないが・・・ヤヤ大味で、水分が多く、脂が少ない。
原因は、やはり海水温か?
1年中26~30度と高いので、日本近海より成長が早いせいだと私は思う。
人も魚も、『ぬるま湯』では、イイ味が出てこないということでしょうか。
ともあれ、アジの干物、干せば水分は飛ぶし、少ない脂も活きてくる。
第一、魚に限らず、たいていの食物は天日と風で干せば旨味が増す。
ワタを取りアラ塩を振って干してみた。
見栄えは悪いが、どうせ家族で食べるし、試作品だ。
太陽光と適度な風で、1時間もすると干物独特の風貌と香りだが、5時間ほど干した。
背開きの方が良いのでしょうが、フウテンの御先祖は代々武家でして、ハラ開きは(切腹を連想するので)どうも・・・・。
皮側のほうは干さなかった。
その日の夕食に焼いて食べた。
まずくは無いが、改良の余地はある。
今度は裏表干してみるか?
塩水に漬けてから干す?
秘伝のタレとか作って、漬けてから干すか?
食い物にうるさい(=できればウマイモノが喰いたい)私フウテンは、自分が作ったものは、手放しで褒めることはありえない。
たいていケチをつける。
それともココまで新鮮だったら、次はなめろうを作ろうか。
ウ~ン、急になめろうが食いたくなってきたぞ!
ちなみに、フィリピンのパレンケ(=市場)では多種多量の『干物』が売られている。
一見、美味そうだが、塩分濃度が半端でない。
(まるで塩を食うような・・・)
暑いところでも日持ちするように、そして、少しの量で、沢山の米が食べれるようにという理由だろう。
この国の庶民・貧困層には、肥満・高血圧が圧倒的に多い。