大棟梁がドアクローザーに撃沈された
コテージ1号の、玄関ドアのドアクローザー。
ドアクローザーご存知ですよね?
(右側に失敗して開けた穴が見えている)
ドアを開けた後、自動的にゆっくり閉まっていく、あれです。
日本の住宅や事務所の、たいていのドアには付いていると思います。
しかし、この辺りの田舎大工は、だいたいが『ドアクローザー』などという物体を扱ったことがない。
したがって経験が無いので、取り付け方は知らない。
クラブハウスのメインドアのクローザーは、私が取り付けた。
初めて見る珍しいモノなので、職人たちは物珍し気に見ていた。
コテージ1号のドアのとき、
例によって、エンボイが『俺がやる!』といってきた。
経験も無いのに、『やる!』というのは、エンボイの偉大なところだ。
私は彼に、マニュアルを見せながら取り付け方を説明した。
マニュアルは英語とタイ語で書いてあるが、字の読めない彼には何語でも関係ない。
肝心なのは絵と寸法図だから。
他のスタッフは、絵があってサイズが描いてあってもナゼか理解しないが、エンボイは図面が読めるから分かるはずだ・・・(と私は思った)。
しかし、人の言うことを聞いていない。
マァそれでも絵さえ見て、その通り取り付ければ、簡単なのでやらせた。
ところが、10分もあれば付けられるはずのものが、3時間経っても終わらない。
そのうちヤツは、お友達で大工の巨匠:ドドンを呼んできて、二人でやっている。
・・・・・我慢の限界。
今まで鍛えられて、辛抱強くなった私も、業を煮やして口出しする。
・まず本体の向きが左右逆だ。
・本体の位置が、ドアの内側の端から離れすぎている。
・アームと本体の位置関係も、合っていない。
要するに棟梁とNO1大工が、雁首並べてメチャクチャやっているのだ。
アジャストスクリューで調整しても、開け閉めがとても重い。
これではクローザーが無いほうがましだ。
いつものことだが、分からなければ何故説明書の絵を見ない?
なぜ、寸法をみない?
全く理解に苦しむ。
ガンコなのもいい加減にしろ!
このままでは、本体の中のオイルシリンダーが壊れてオシャカになるので、作業を止めさせた。
後日、エンボイの居ない時にエリックに全部外させて、やり直させた。
エンボイのいる時にやらせると、エンボイがエリックにやきもちを焼くからだ。
エリックの場合は、マニュアルを見せ説明すればその通りやるので、10分ほどで終了。
開閉速度は自分で調整した。
ヤレヤレだ。