ダンプカーで天使を運ぶ・・・後編
無理やりエンジェルにされた息子。
前回の続きのお話です。
さて先日は、“学校の日”でした。
お得意の“パレード”企画が、またやってきました。
今度は『エンジェル達が町をパレードし、パレードが終わったら”白雪姫“の演劇を見る』、です。
エンジェルはクラスごとに選ばれ。。。。もちろんエンジェルの衣装は、その子が準備しなければいけません。
息子も、エンジェルに選ばれてしまいました。
げっ!!
うちにはエンジェルの衣装なんて、、、あるわけない!
しかしここはフィリピン、「うちには衣装がないけどどうしよう!」と、ひと言云ったら、周りの誰かが『うちにあるから貸してあげるよん』と言ってくれました。
(なんだ『定番』なのか・・・)
そして8時半、パレードのスタートです。
エンジェル達は、1台のトラックに乗ってのパレードとなります。
冒頭の画像の様に、最後までクズクズしている息子を、無理やりトラックにのせ、ホッとすると。。。
突然。
「ぎゃ~~~~」
と泣き声が。。。
見ると、息子が今にもトラックから落ちそうになりながら、「やだ~!降りる~~」と泣いているのです。
トラックから落ちそうになる彼を、あわてて抱きしめると、そのままもの凄い力で両手両足をからめられ、私はそのまま地面に倒れそうになりました。
息子:「ママ~!、あれ乗らない~~あれダンプトラック~~、乗らない~~。やだ~~」
私:「大丈夫だよ、パレードだよ。みんなで車に乗るんだよ」
息子:「やだ~~、あれはダンプトラックだから。。あとでみんなと一緒にダンプされるから、、、やだ~~道にポイポイされるぅ~~」
ん?ダンプされる?
言われてよくよくそのトラックを見ると。。。
本当に、本当にただの工事現場に使われるダンプトラック。デコレーションもへったくれもなく。。。
ダンプトラックでパレードは、少々恐ろしい。。
ちょっと落ち着きを取り戻した息子エンジェルが、乗るべくトラックはうちが資材を注文する店のダンプトラック↓。
(上はウチの現場に資材を納入する画像)
と同じだから、荷台に乗ったエンジェル達はこんなふうに・・・・
画像はウチの現場風景。
息子はこれを毎日見ているのです。
砂をダンプする。
最後にバタンバタンすると、荷台はきれいさっぱり、なにもない状態になる。
と、息子は言うのです。
くどいようですが・・・・
他の子たちは、ダンプカーが実際にダンプするのを見ることは、あまりないと思います。
息子の場合は、ウチの現場で毎日のように見てきたので、恐怖心アリアリです。
彼のタレ目は涙に濡れ、悲しげに説明する息子の話は説得力がありました。
すぐ送迎スタッフがベル先生に話し、納得してくれた先生は、別の車を手配してくれました。
そして息子は、白雪姫のお付きの女の子役のおねえさんと一緒の車で、無事パレードの旅に出発したのでした。
こんな状況に対し、子供の個性を尊重した対処をしてくれるのは、フィリピンの良いところです。
(日本なら『皆と同じ』が重要、ひとりのワガママは聞いてくれないかも・・・)
『ダンプカー事件』からしばらくして、体操着が出来上がってきました。
毎週金曜日は、”エクササイズの日”(体操のはずなのに、ダンスをさせられることが多い)。
なので、制服ではなく、今までは私服を着てました。
別にいいんですけど。。。い~んですけど(フィリピンだから)。。。
でもあまりにも、体操・エクササイズには似つかわしくない、Tシャツの変な絵が気になります。
↑が、その体操着。
(私共は2016年に帰国し日本在住。この息子は2022年現在、身長182センチ、生意気盛りの高校3年生です)