巨匠作の通風孔
上は、80年前に作られた、1インチ角の木を組んだ軒下通風孔。
長い歳月の埃・汚れがどっしり付いている。
ウチの敷地にあった古民家、通称『ボロ屋』から採取した。
さて、“巨匠:ドドン”、別名『ヨッパライ大工ドドン』作の通風孔のお話だ。
今のウチの敷地の隅に、約80年前に建てられて、この度お役御免になった“ボロ屋”があった。
地元の有力者というか、医者を何人も輩出したファミリーの家だった。
取り壊しの際、古材がかなり取れた。
その中の軒下庇の通風孔の古材を使って、コテージ2号用の、「別のデザインの軒下の通風孔を作ってチョウダイ!」という、私のリクエストである。
そのまま使えば?と思うかもしれないが、冒頭の画像のように、どうもあまり“通風”しそうもない構造なのだ。
全部の木を画像のようにバラしていく。
手間の掛かる仕事だ。
何度も書くが、古材木のほうが今の木材より質が良い。
質が良いうえに、年月でしっかり乾燥している。
そしてひと皮剝けば、新品同様に生き返る。
木は不死身なのだ。
人や動物は、こうはいかない。
白い容器の中は抜いた古釘。
あちこちから出る鉄クズは貯めておいて、回ってくる屑屋に売って、スタッフたちが酒代にしている。
右が巨匠:ドドン、左はサミー。
部材を切って、組み直しているところ。
ほぼ完成。
この方がデザイン的にも優れ、機能性も高いと思う。
つまり、どの方向の風も取り込めるし、排出できる構造なのだ(私が図面を書いて渡したわけではない)。
さすが、『村の匠』なのだ。
見た目もキレイだ。
虫・小動物除けの“高級金網”を、内側に張っておく。
フィリピンの”安物金網”は、まるで手品のように、半年もするとボロボロとなり自然に消滅するのだ。
磨いて、軒下に嵌め込むとこんな感じ(↓)。
イイ感じだ。
このあと塗装して仕上げる。
下は側壁の通風孔。
(建物内部側から写した画像)
これは、大棟梁:エンボイが作った・・・・ごく一般的なデザインだ。
セブは、夏と真夏しかない気候風土。
上手く風を取り入れ、空気を動かすことが重要だ。
そうすれば、風のない日以外は、エアコンどころか扇風機も不要だ。
まぁ都会の街中は別だけど。