解雇するのはつらいのだ
ウチの前の海、少し荒れています。
さて、近頃ウチには、建築作業スタッフが10人居ました。
「居ました」というのは、つい1週間ほど前、ひとりのスタッフがプイと来なくなって、9人になったからです。
しかし、現在とこれからの工事内容からすると、それでもまだ多いような気がします。
近々、あと2人ほど辞めてもらわないといけません。
いわゆる“リストラ”です。
他の経営者はどうか知らないが、私にはこれが精神的に結構キツイのです。
何がキツイかというと・・・・決断すること。
もともと、工事が終われば、メンテ要員を残しハイサヨナラなのですが・・・。
ここでは普通、建築工事は日雇い契約ですから、「明日から来なくていいよ。」と云うことも可なのですが・・・。
ウチを辞めれば、彼らには収入源がなくなります。
日本で云えば、ドヤ暮らしの日雇い(←古いか)のようなもんで、失業保険などあるわけなく、(唄の文句じゃないけれど)『工事終わればそれっきり』です。
よほど運が良いか仕事のできる人は、次のしのぎが見つかるかも知れませんが、こんな田舎では、ましてうちの連中では、それは難しいです。
しかし、全員に養うべき家族がいるのです。
イナカの村ですから、路頭に迷う、とまではいきませんが、困ることは確実です。
人によっては1年以上一緒にやっているので、それなりに情が移ります。
そう云いつつも、今まで3回、計10人以上(断腸の思いで?)お引取り願っております。
工事の段階の規模と内容により、最も効率的な作業人数があるからです。
作業者数の調整は、ビジネスとして損得勘定すれば、当然といえば当然なのです。
さて次回のリストラ候補者としては、大工Vが最優力?候補です。
一番年長のくせに、バカげたミスが多い、まれに見る逸材?です。
ミス=現場の損失。
彼の地位は、ゆるぎないものであります。
ところが、あるとき彼の姪である管理人おばちゃんのルイーラが、Vの解雇を本能で嗅ぎ分けたか・・・・
『叔父(=大工V)は船を作るのが上手いんだ。』
と、のたまうではありませんか。
『売り込み?』・・・・
(次回に続く)