工事と白髪の『手抜き』はナシか?
お座敷の現場風景。
皆様は、上のような写真を見ると、『もうすぐ出来んじゃない?』
とか思うかも知れません。
とんでもありません。
化粧に時間がかかるんです。
たとえば、柱です。
コンクリを打って作った柱を、まずこのように、鉈(ナタ)や先のとがったハンマーで(わざわざ)キズつけます。
これは、仕上げのモルタルを付き易くするためです。
柱1本あたり、2~3時間かかります。
次に、柱の両端に木っ端を打ちつけ、ナイロン糸を張りレベルを取り、モルタルを塗っていきます。
金ゴテのあとは、板ゴテで何度も何度もこすり付けます。
ヒビが入りにくくするためと、きちんと型を作るためです。
うちの職人がやると、このモルタル仕上げに丸1日がかりで、8時間でひとり1本半の柱がやっとです。
ほかにセメントの捏ね手も必要です。
しかもこれで終わりではなく、まだ塗装作業もあります。
彼らなりに一所懸命やっているので文句は言いませんが、見ていると、じれったくなってきます。
手作業で仕上げていくということは、とても時間と手間がかかります。
特にウチの連中の場合は。
見た目を良くする、いわゆる“化粧”ですね。
私は良くは知りませんが、女性の化粧も人それぞれのようです。
30分も塗っている人もいれば、ウチの奥様のように、全くしないような人もいます。
奥様はスッピンでも十分美しいので・・・(ン、なにか無理があるようだ?ムリがある)。
奥様のドレッサーにも、使いもしない化粧品がズラ~っと並んでいます。
しかし、奥様がドレッサーの前に座るのは、髪をかき分けて白髪を血眼⁽ちまなこ⁾で探し、退治している時です。
たとえ1センチの白髪でも見逃さない奥様の執念は、鬼気迫るものがあります。
手抜きはナシ(手で抜くけど)。
そういう時は、私フウテンは半径3メートル以内には、近づかないことにしております。
うっかり寄ると、ネコの鼻毛ほどの白髪を、どやされながら抜かされる羽目になります。
あれは分かりにくいったら、ありゃ~しないです。