苦行?の買い出し
マルティキャブ(借り物画像です)。
フィリピンでは一般的な、いわゆる『改造車』。
荷台一杯にベンチシートを作り、屋根を作り大きな荷物も乗せられます。
昨日は私がネグロス島のドマゲティに買出しで、奥様が留守番でした。
ドマゲティ市にある、激安ショップ漁りがターゲットです。
ネグロス島のシブラン桟橋からドマゲティ市までは、乗り合いのマルティキャブで往復します。
マルティキャブとは、日本の中古軽トラックの荷台その他を改造して、人が乗れるようにした乗り物です。
港からドマゲティの町まで、片道7キロが10ペソ(←10数年前当時のレートで20円)、2022現在は3倍はしているはずです。
『やす~い!』と思った方に、念のためご説明いたします。
乗り合いの路線ジープニーやマルティキャブは、通常、満員になるまでスタートしません。
それまで乗った状態で待ちます。
運が悪いと(発車直後など)、2~30分待ちは当たり前です。
旧規格(550cc)の本当に小さい35年前くらいの軽トラに、行きは、ドライバーを含めて15人乗りました。
帰りは、18人乗りました。
運悪く、往復ともドライバーがやや詰め込み主義、儲け主義の運転手でした。
(ビジネスを知っている運転手は、満員でなくても出発し、運行回数で稼ぐとか、途中で客を拾うかします)
隣の人と、骨盤と骨盤を斜めに、肩を前後にずらして座ります。
ぜんぜん隙間はありません。
向かいのお客とも密着し、もともと狭い間の通路はなくなります。
隣の人が私の膝に手を置いて体を支えたり、誰かの手荷物が私の足元を1ミリも動かなくしたり・・・
車が揺れても身体は動きません。
乗客は、上手く梱包された荷物のようです。
荷台ですのでオープンなのですが、心なしか酸素も欠乏するようです。
普通の日本人なら、“エコノミークラス症候群”以上の、“いわしの缶詰症候群”で、たいてい気持ちが悪くなると思います。
フィリピン人は、この状態でたとえ何時間でも平気です。
私ももう慣れているので、そんなに苦痛ではありません。
コツですか?
コツなんてありません。
ただジッと我慢するだけです。
が、あえて言えば、“無我の境地”になること、でございましょうか。
『人間』ではなく、『荷物』の気持ちになるのです。
面白いのは、チャット(=おしゃべり)大好きのフィリピン人も、あまりにギュウギュウだと、無口になるのです。
*注:走る路線が決まっている乗り合いです。
コースが平たんであれば、軽トラベースで18人乗っても何とか走れます。
路線が山道の場合は、中古2トン(or 4トン)の中古ディーゼルトラックがベースとなります。
海の漁師、陸のジープニー野郎、両方とも日銭が入るので、田舎では結構『花形職業』でした。