本業はダイビングだった!?
海側から見た、お座敷と左がコテージ1号。
毎日、毎日図面を引いたり、資材を手配したり、建築現場で指示したり。
そればっかり・・・。
(キライではないのですが・・・)
そうすると、まるでそれが私の仕事=本業、のように錯覚してしまうことが、自分でもあります。
時々、あれ~!
ナンカ、これは違うぞ~、
と改めて思い出し、確認しないといけません。
つまり、私が素人建築士やインチキ現場監督でお勤めしているのは、日本人のお客さんに、来ていただく施設を作っているからだということ。
そしてそのリゾートで、スクーバダイビングやそのほかのアクティビティ、ご滞在を通して、お客様に喜んでいただきたいがゆえである。
ということを自分自身に、月に一回くらい言い聞かせております。
そうしないと・・・先日もこんなことがありました。
いかにも工事現場という雰囲気を、徐々になくしていくため、海側の方から道路側にむけて、仕上げていく作戦です。
そうすれば、終わった場所にはもう作業員が入らず、片付けして掃除して、庭作りを開始できるから。
そうしないと、いつまで経っても細長い敷地全体が、ゴミだらけの工事現場。
綺麗にしてもまたすぐ汚れる、という繰り返し。
そんなわけで、海沿いからやっつけております。
さ~て、残る建築物は、大きなストーンテーブル、お座敷と露天風呂の仕上げ・・・・ハテ、そんなものかな・?
あとなんか無かったっけ?
・・・なさそうだ、ウンッ、無いっ!
とか思ってしまいました。
大ボケでした!
器材洗いの水槽がありません。
ダイビングサービスをする以上、必須じゃないですか。
頭からコロッと抜けてました。
(バカバカ、バカッ!)
あわてて水槽のプランを考え図面を引いて、水ものは水ものの近くにと、露天風呂の横に作りました。
露天風呂に継ぎ足しの鉄筋を組み、ブロックで型を作っていく。
モルタルで仕上げる、水槽は三連とした。
手前から・・・浅い=マスク、ダイビングコンピューター、水中カメラなど小さめの器材用。
やや深い=レギュレターなど。
深い=BC、フィン、ウエットスーツなど用。
と3つに分けました。
水面の高さを変えるのでなく、同じ高さで深さのほうを変えて作りましたので、かがみこむ事なく、キッチンでお皿を洗うように器材が洗えます。
私もラクできます。
何故なら、日本人向けのフィリピンダイブリゾートとして、お客様の機材は日本人スタッフが洗うというスタイルです。
そのため、水は浅い水槽から、やや深い水槽、次に深い水槽に行き、最後に下水に排出するように、水槽同士の上下をパイプで繋ぎました。
これで、お客様は海から戻ったら、機材やウエットを水槽に入れ、シャワー(画像の上中央の囲いの中)を浴び、露天風呂にドボン・・・・この一連の流れの完成です。
ほぼ出来上がり、あとは内面の塗装です。
大きさがちょっと足りない? と、お感じになる方もいるかも知れません。
しかし、ウチは旅行会社のパッケージで、ゲストがドヤドヤと大勢いらっしゃることはない(笑)ですから、大丈夫でしょう。
“薄利多売”のやっつけ仕事をするより、“薄利少売”で細々でもいいから、地道にやっていければ良い―――と奥様と合意の上でございます。
大変失礼な言い方ですが、マニュアルどおりの笑顔とセリフやサービス、そんな実(じつ)のない姿勢で、お客様をもてなす某ファーストフード店ごときのリゾートは、私フウテン、痩せても涸れても、真平御免(まっぴらごめん)でございます。
『このぉ~!オヤジ~!』
『とか何とかエラっそうにのたまって・・・リゾートを造ってから言ってみやがれ!』
と、私の中の別の声が申しております。
それは違います。
こんなフウテンおやじが、ホントにリゾートをやっていけるのか?
それ自体が自分で心もとないからこそ、今のうちに吠えるのでございます。
もとより、明日をも知れぬ外地暮らしです。
自信なんて、実は無いのです。
私フウテン、昔からゴーイングマイウェイ、強気一辺倒と、他人様から思われることが多いのですが、ふと心の中の『弱気』が、大潮の引き潮のときの海底のように、現れ出ることがあります。
私、実は臆病者です。
それを覚られないための、弱さを隠すカラ元気と強気です。
そうでないと、私のような何のバックグラウンドもないバカは、海外で生きていけな
い・・・と思うのです。