セブの物価、13年前
(以下は、2008年1月の記録から入稿したもので、数字的なデータなどは、2020年現在とは異なります。しかし、逆に云えば、13年前の比国の物価が分かるという”貴重さ”があります)
物価と言う大げさなタイトルだが、ここで話すのはそんな大袈裟な事ではなく、ほんの雑談である。
と言うのは、日本の皆さんは『東南アジアは物価が安い、何でも安く手に入り、生活費がかからない』と思っている人が多いような気がするからだ。
これは間違いだ。
何が間違いか?
『何でも』と言うところが違う。
日本に較べて、高い物、同じくらいの物、安い物、の3種類があるのだ。
例えば、牛乳1リットル64ペソ、今(2008年1月)のレートで175円。
ガソリン1リットル48ペソ、130円。
トイレットペーパー、質により1個8~20ペソ、21円~54円。
1個ですよ。
安いだろうか?
道を歩いていると、ポケットティッシュをタダでくれる、なんて事は金輪際、有り得ない。
大都市の良い大学を出て初任給がいっても1万5千ペソ、40,000円という国でである。
私はこれらの価格は高いと思う。
しかもこの国では、物価は常に確実に上がっていくスタイルなのである。
紙オムツなど明らかに高い物もある。
日本より物価が高いと言っているのではない。
総じて安い物が多いのだが、中にはかえって日本より高い物も結構ある、ということである。
また、家庭雑貨などは確かに安いが、その品質を考慮に入れると「?」である。
本は非常に高い。
本を読む人は、ティッシュを使う人同様、金持ちだけなので問題ないが。
今使っている大工の手間賃が、1日250ペソ、約700円。
安いと思いがちだが、果たしてそうだろうか。
ウチの母屋の現場、200平米足らずの総床面積の現場に計22人のワーカーが働いている。
そう、電動工具などの利器が無いせいもあるが、一人ひとりの能力、作業の効率が日本人とは違うのだ。
鉄筋を縛るハリガネなど工事全体では、数万本使うわけだが、下の画像のように一本一本ペンチで切るのだ!
必ずしも安いとは言えない。
昨今の日本の住宅建築事情と違い、完成まで週6日作業で半年以上かかるのである。
ところで、酒タバコは、スコッチウイスキーなど輸入品を除けば日本よりずっと安い。
私の吸っているウインストンライトが、1カートン200ペソ、540円。
1箱当たり54円。
マルボロライトは7円くらい高い。
おなじみのビール「サンミゲル」が、店では1本(330ML)18ペソ、48円。
どこかの国のビールもどきではない、ちゃんとしたビールだ。
場所と店によって値段に相違はあるが、酒好きとタバコのみには天国だ。
かくしてフウテンオヤジは、肺がんに負けない強い肺、肝硬変にならない逞しい肝臓にするべく、これらを用いて連日の如く鍛えているのである。
休肝日などと、肝臓を甘やかしてはいけないのである。
日々これ鍛錬の連続なのだ。
それにつけても、あのマイルドな日本酒が恋しい今日この頃である。
*繰り返しますが、以上は2008年の原稿を素とします。