お座敷の床を竹で張る
『ブトン』(=太い竹を割って皮を削ったもの)に、防虫剤”ソリグノム”を塗っています。
これを塗り始めると、風下方向に、いかにも『虫が死ぬぞ~』という臭気が漂います。
身体には良くないと思いますが、画像のように塗っている本人が、いつまでもなんともないので、きっと人体にはあまり影響ないのでしょう。
比較的高価な薬剤で、ボタボタと地面に垂らしながら塗られると、ちょっと頭にきますので、なるべく見ないようにします。
お座敷の中は、(逆光で見にくいですが)薬を塗ったブトンだらけになりました。
乾かしてから床張りです。
防虫剤は、この場合、基本内側(画像で言えば裏面)だけでいいのですが、外側もタップリと付いています。
考えない人が多いので、まぁ、仕方ないでしょう。
その内、上手くなるでしょう。
まだらになっているのは、ソリグノムが付いちゃった?ところです。
表⁽おもて⁾面には塗らないように言っているのですが、手が滑ったのでしょう。
なんだか、ちょっと滑りすぎのようですが・・・(いい加減にしろ)。
表面は、もう同系色のウッドステインで仕上げるしかないです。
よく見ると、釘打ちであちこちブトンを割って⁽画像中央⁾います。
『ドリルで下穴を開けてから、釘だよ』、とクチが酸っぱくなるほど言っても、忘れられます。
とても物忘れの良い人たちです。
仕事中は、あまり仕事のことを考えないようにしている、のでしょうか。
もともと、考えること自体、苦手な人が多いかも。
「隣どおしのブトンの隙間を、なるべく空けないように張る」、ということも、何度言ってもだめです。
ジ~っと見ていればちゃんとやるのですが、目を離すと、隙間だらけになっています。
私も、全員を同時に監視することは出来ませんから(したくもないし)。
結局、半分諦めのモードになっていきます。
思えば、この国のこういうところが、私達外国人を疲れさせます。
たとえば・・・・
例えばですが、
メイドさんに「朝は玄関前のテラスを掃いて、キレイにしてちょうだい。」と頼みます。
すると、その日は掃いてくれます。
2~3日すると、もう掃かなくなります。
熱帯なので、昆虫の死骸にアリが集まったりします。
仕方なく、また同じように「毎日、掃いてね。」と頼みます。
すると掃きます。
でもまた2~3日でやらなくなります。
で、また同じ事を言わなければならなくなります。
全てのメイドさんがそうではありませんが、そういう人が多いのは事実です。
しまいに根負けして、こっちもどうでもよくなるか、諦めきれず、ストレスをしょいこむ事になります(それが狙いなのか)。
こちらの人からすると、『掃除はいらない、これで充分キレイだから」。
でも、世界一綺麗好きの日本民族にとっては、あまりキレイではありません。
また『忘れた!』という言葉は、ここでは立派な、完全無欠の言い訳です。
仮に「なんで、すぐ忘れる」と言っても、『忘れたから、忘れた(ンッ?悪いの?)』でしょうし、万一でも「無能だ、バカだ」と言ってしまえば、“侮辱”や“虐め”になり、逆恨みや仕返しを受けることがあるので絶対言えません。
(以前は仕事を箇条書きにして、チェックシートを作り、終わったら本人がチェックするという風にマニュアル化して、まあまあ上手く行っていたのですが、今は忙しくてそこまでできません。)
ましてわれわれは外国人、日本人です。
自分が意識するしないに関わらず、外国では一人ひとりが“日本”を背負っています。
つまり、この場合は『日本人に侮辱された』とか『日本人に虐められた』となります。
その結果、『日本人は〇〇〇だ!』なんて、反日感情を抱かせたりして、他の日本人の迷惑になることもあり得ます。
相手は、自らを弱者(と信じている)人たちです。
『自分(達)はこんなに優秀で勤勉なのに・・・外国人がきたから・・・』という“変な被害者意識”に、マゼラン以来、被統治国500年の歴史と伝統で凝り固まっています。
この、“変な被害者意識”のDNAを刺激することは、スズメ蜂の巣を突っつくより愚かなことです。
そんな訳ですから、さきのことに限らず、腹を立てず、感情を込めず、コンピュータボイスのように何度も同じセリフを繰り返します。
辛抱強く言わないとなりません。
でも、たいていの人は行き着くところ、全部を自分でするか、この国の人たちと同じ感性を獲得するか、です。
奥様と私は、それだけはお断りです。
彼ら(彼女ら)に少しずつでも、日本人のメンタリティーを理解してもらいたいのです。
それ抜きには、将来日本人のお客様の満足するリゾートサービスなど、完成しないからであります。
スタッフ教育などのソフト面は、リゾートで最も大切なことですから。
・・・・・・ゴメンナサイ。
もう止めます。
また愚痴になってしまいました。