ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

これが柱の基礎




母なる地球よ!


ゴメンナスッテ!


私、行き掛かりじょう、暫(しば)し地面をお借りします。




地面に12個の柱用の穴を穿つ。


縦横共に約1メートル、深さ1.5メートルくらい。


一階の床面積が12×8メートル、2階も同じ、計192平米のリゾートのクラブハウスだ。


フウテン一家の住居(2階)もかねている。


構造や仕様、間取りの設計、資材調達は、奥様Mと私で行なった。




縦4横3、4メートル間隔で計12本の主柱とした。
(単純な設計にしないと、村の職人たちには荷が過ぎると思ったからだ)


穴の大きさと深さは、首領、もとい棟梁エンボイと彼らの経験を基にした目分量だ。



(フウテンオヤジ注:1階のフロアーレベルは、この地面からブロック4段上がるので、建物が出来上がれば、1階フロアーから柱の基礎までの深さは、実際2.5メートルくらいとなる。フロアーレベルまでは、海から採った大量の砂利で埋める。)


もちろんスコップだけの手作業。


ころよく穴を穿った後、鉄筋で作った柱の基礎(ベース)を底に入れ、柱の鉄筋を立てる。


1メートル角の柱のベースも、柱も16ミリの鉄筋で組んでいる(冒頭の画像=柱の基礎、手前は作りかけ)


柱にはさらに12ミリの鉄筋を間ごとに入れているので、16が4本、12が4本、計8本の鉄筋入りとなる。




16ミリの鉄筋1本は、彼らの日当の約2倍の値段!


バンドも12ミリを採用した。


日本にはさびにくいコーティングをした鉄筋が有るらしいが、此処には無い。


またさび止めを塗ってから組むと言う方法もあるが、今回は必要なしと判断して採用しない。


柱の型枠の縦横は30センチ角の正方形、モルタル仕上げの厚みを入れれば約35センチ角となる。
この12本は1&2階の通し柱で、太さも2階の梁までそのままだ。


日本ならたぶん鉄骨構造になると思うが、この国の田舎では多くの構造物が現場での手作業によるため、鉄骨は使われない。


エンボイは、このほかに1Fの間仕切り沿いに、同じ深さで10本の小柱も建てるという。


理由を聞くと、2階建てだから、(2階が重いから1階を丈夫に作らなければいけない)と言う。


地中梁こそないが、鉄筋を仕込んだ6インチ厚のブロック4段で、柱は繋いでいる。


日本の専門家がどう評価するか私には分からないが、22本の柱は私自身はちょっとやり過ぎ、頑丈すぎる、コストのかけ過ぎのような気がするのだ。



セブ島のこの近辺では、一年中気候温暖で地盤も良いし、何より地震、大水、台風など自然災害は皆無と云ってよいからだ。


くず木材と竹の皮の壁、ニッパヤシの葉で葺いたネイティブ小屋でさえ、朽ちるまで壊れないのだ。


しかし写真を見て欲しい。


柱がベースの中央に載っていない事が多い。


(穴の位置がずれているので、柱がベースの端)





(中にはちゃんと芯が出ているのもある)


何事にも、きちんとしないと気が済まない日本人のフウテンオヤジとしては、とても気になるのだ。


12本中8本はベースのセンターがややずれている。


もちろん柱の位置はあっているので、穴を開けた位置、ベースがずれているのだ。


エンボイにこの事を指摘すると、曰く「ノープロブレム」。


確かに強度的には、問題ないのかもしれないが、まず見た目が宜しくない。


確かにどうせ埋め込むから見えないだろうが、そういうものではないと思う。


見えないところこそ、ちゃんとするべきである。


それが技術者の誇り、古くは「職人気質(かたぎ)」というものだ。



などと言うと、きっと今は日本でもバカにされるに違いない。


しかし、私は自分は間違っていないと思っている。

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