英語版の魚図鑑
フウテンおやじ妻です。
今日は前からちょっと気になっていた、魚の英語名について、ちょっと書いてみたいと思います。
ちなみに、以下は私の知識内でのことですので、内容に不適切、間違いなどありましたらどうぞお許しください。
それでは。。。
その名前ですが、まずは“学名”です。
学名(Scientific Name)とは、生物につけられた世界統一名称です。
現在では国際命名規約によって、その取り扱いが厳密に統制されています。
また、学名は種名だけを指すのではなく、門、綱、目、科、属、種などの分類階級の名称も学名です。
通常ラテン語で表示されています。
1つの種に対し有効な学名は1つだけ、のはずなのですが、数冊の魚図鑑を見ると、同じ魚で学名が違う!なんてこともたまにあります。
これは、過去に誤って複数回記載されていたり、記載後の分類の変更などによって、複数の学名が存在するようになったことが、原因のようです。
どの学名を有効とみなすかは、研究者によって見解が異なる場合も多い、とのことですが。。。
私的にはかなり混乱します。
さて、ここフィリピンでは特に青、黄色、オレンジなど、色とりどりのトロピカルな魚達を水中で見れます。
今日のお題では、ダイバーやスノーケラー、そしてアクアリストの皆さんの間では人気の、『スズメダイ』を例にあげてみたいと思います。
生き物は、学名の他に“標準名”(common name)が通常ついています。
魚図鑑には一般的に日本語名、“和名”や“英語名”がのっています。
スズメダイの仲間の総称は damselfishes (ダムゼルフィッシュ)です。
今回は学名ではなく、英語名に関してです。
ですので、学名に関しては割愛させていただきます。(というか、正直ラテン語なので私はとても苦手です。情けないのですが、私はこの学名は、魚を照合する時にしか気にしません)
さて英語名ですが。。。
その国や地域、そして作者によって微妙に、時には大胆に変わります。
そして英語名は決してひとつではない、ということです。
たとえば。。。
ディープブルーと黒が素敵なこれ↓
この英語名は springer’s damsel (スプリンガーズダムゼル) 又は springer’s demoiselle(スプリンガーズ デモワゼル)。
この2つの英語名の違いは、最後につく ダムゼルとデモワゼルです。
『デモワゼル』を『デモイゼル』と発音される方がいますが、英語の発音としてみた場合は、デモワゼルが正しいです。
なぜかというと、デモワゼルの語源はフランス語だからです。
現在は英語として使用されていますが、発音はフランス語読みとなるので、デモワゼルとなるわけです。
Damsel(ダムゼル)はもともと英語です。
お次はこれ↓
和名はルリスズメダイ。
このお魚、たくさん名前をつけられてしまいました。
Blue Devil(ブルーデビル)、Blue Devil Damselfish(ブルーデビルダムゼルフィッシュ),Blue Damselfish(ブルーダムゼルフィッシュ)。
何もこんなに、つけてあげなくても。。。。
まして”デビル”とは、ひと聞きの悪い。。
もちろん当の本人、自分がこんな名前持ちとは知りません。
ご参考までに、オスは尾びれに黄色が入り、背びれにさらに青色が入ります。
メスは、全体が素敵なブルー。
そして背びれ付近には黒っぽい点があり、目には黒線があります。
ですので、たとえば図鑑にメスの写真しか載っていなくて、これがルリスズメダイだ、と認識している状態で、尾びれが黄色のオスのルリスズメダイを見ると、混乱しちゃいますよね~。
そしてこれまた、たくさん付けられましたこれ↓
和名はクジャクスズメダイ。
英語名はBlue damsel(ブルーダムゼル)Peacock Damsel(ピーコックダムゼル)Sapphire Damsel (サファイアダムゼル)などです。
この中の、ピーコックダムセルのピーコックは、“くじゃく”を意味しますので、覚えやすいですね。
こんなにたくさん名前をつけてしまって、どうしちゃったんでしょうね。
別にこんなに、やたらにつけなくてもいいのに、と思うのですが。。。
つけた方、なかばヤケクソ気味だったんでしょうか?
それと和名と英語名の違いですが、表現の違いもおもしろいものです。
私的には英語名の方が単刀直入、魚の特徴を活かして付けられているような気がします。
例えば。。。
人気の『クマノミ』、アネモネフィッシュの一員のこれっ(↓)
一見、ゼジロクマノミと思いきや・・・
よ~く、ご覧ください。
これは“スカンクアネモネフィッシュ”(Skunk Anemonefish)です。
まるで動物のスカンクのように、白線が頭から尾びれにかけて入っています。
このスカンク、元祖セジロ君ととと何が違うかというと・・・
セジロ君は、こんなふうに白線が口のところまで伸びているんです。
ということで、魚によっては英語名がひとつではない、ということで今日はこれでおしまい。
たまにですが、魚図鑑の学名さえ明らかに違って明記されていることもありますので、皆さん要注意です。
私の図鑑には、ヨスジリュウキュウスズメダイの名で、堂々とバイオレット・デモワゼルの画像が載っているので、ぶったまげてしまいました。
スコットさん、本当にこれでいいの??