ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

解禁だ! 型枠外すぞ

皆様、新年おめでとうございます!


この2021年が終わる頃にどんな思いで年の瀬を過ごすか、見当もつきません。
しかし、人生山あり谷ありが常です。
また、ピンチはチャンスと言います。
皆様のご健勝を心よりお祈りいたします。

さて、10数年前のクロニクルを続けたいと思います。
今少し、お付合いのほどをお願い申し上げます。




(1階の床の上、つまり2階のスラブの下)



2階のスラブとビーム(床と梁)のセメント打ちが終わり2週間たった。



やっと、型枠外しの解禁だ。


うちのチームは、特に棟梁に任命したエンボイは正直の上にバカが付く、『バカ正直』職人。


確かに日本なんかでも私の知っている限りでは、セメントに強度が出る(固まる)まで、そのくらい養生する必要があるとなっていた。


しかしここは日本とは気候が違う、熱帯!


急激な乾燥を防ぐ水をやりながら、10日もすれば大丈夫だろうに、「2週間だ!」とくる。



この石頭!



「お前のようなヤツを、『ストーンヘッド』というんだ。」


フィリピンでも、この手の人間を「固い頭(マティガス ウロ)」と言う表現がある。


エンボイは嬉しそうにニヤニヤしているが、主張は変えない。


私も押し付けはしない。




もちろんその2週間、チームか遊んでいたわけではない。


1階の間仕切りのブロックを積んだり、1階の床の高さを上げるため砂利を入れたり、鉄筋をカットしたりと、まぁ仕事はたくさんある。



その2週間が過ぎ去ったのだ。





「者共、はずせー!外せー!、型枠外せ~!」



「木(角材)はあっち~、ベニヤはこっちだ~!」



(2階スラブの型枠外し)



(ハズし終わった後、屋根じゃないけどもう、雨に濡れることはない)




型枠は釘を抜いて、2階の足場と屋根のビーム(梁)の足場に再利用だ。



「床に木っ端を残すんじゃないぞー! シロアリが来るからな。」



コンクリートに埋まってしまった木端も、全部抜くように指示した。


この国はシロアリ天国だ。


冬が無いし、材木は椰子の材木が多いから。


ヤシの木は繊維質が甘く、(私は食べたことは無いが)シロアリは大好物だ。




型枠を取り去ったスラブを下から見上げると、まぁまぁの出来だ。


しかしダブルに張った鉄筋が、透けて表面に見えるところが少々ある(下の画像)。



だから言わないこっちゃない。





やがてこれが錆びてくると膨張して、スラブのコンクリートがひび割れるのだ。
(厚さのアベレージ6インチのスラブに、ダブルの鉄筋をシッカリ埋め込むテクは、私はこの国では見たこた無い・・・ザツだから)


また、12本の大柱は良いが、小柱で継ぎ目がずれているのが1本あった(↓)。


(何だこりゃ! あり得ない)



まあこの程度のポカはフィリピンでは許容範囲、堪えて目を瞑るしかない。


おおむねは上出来として、これらの問題点はいずれ修正して何とかする。

×

非ログインユーザーとして返信する