アッ!と驚く為五郎、ンガッ、ハッ!・・・ハァ~ッ?
今日も今日とて、朝7時現場入り。
そのあとは、他にもすることがあり、様子を見ながら現場と部屋を行ったり来たり・・・で毎日が終わる。
しかし、ちょくちょく現場を見ないといけないのは、この国スタイル。
見張りがいなくなった途端に、ゼンマイが切れたおもちゃのようにストップ、サボる・・・・・・ということはウチの現場に限ってない。
よその現場では、ごく当たり前に起こっているが。
私の目的はそれではないのだ。
1時半、昼食を済ませ、またもや現場チェックに行く。
お~、ヤッテル、ヤッテル。
エンボイのしつけが良いのか、みな黙々と働いている。
「グッ、アフタヌ~ン!」
私フウテンオヤジとしては、人が働くのを見るのは、実にいい気分だ。
壁のブロック積みも順調だ。
・ ・・・まてよ?
なんかヘンだな?
ウ~ン、マジか?、窓が無い!
マジメを絵に描いたようなA君。
窓をふさいじゃったよ~。
(彼の左手の辺りにあるべき窓が・・・)
エンボイを呼ぶ。
「あそこの部屋、窓が無い!」
他の仕事に夢中だったエンボイは気が付かなかったようだ。
あわててAにやり直しを指示している。
まあいいだろ~。
(壁を壊して作り直した窓は彼のお腹の前)
キッチンを覗く。
エンボイの従兄弟の彼、まじめにやってる。
オ~ツ! ナンダコリャ~!
換気扇の開口部が、塞がれている。
エンボイを呼ぶ。
エンボイも忘れていたらしい。
(急きょ作った換気扇の開口部↑)
でもこれでは位置が悪い、仕上げの時にまたやり直しになるのがミエミエだ。
フィリピンだから、このくらい、しかたないか。
次、エンボイのやっている、2階のトイレとシャワールームからの、配水管の配管作業を見に行く。
『アトランタ』という高級オリジナルブランドの厚手のパイプ、しかも、Pトラップ、ティー、キャップなどをふんだんに使い配管している。
自分の金じゃないから、彼は材料を絶対ケチらないのだ。
相棒は彼の右腕のD君、助手はBブラザーズの一人。
しかし、ナンカ、ヘンダナ~?
エ~ット・・・・これは・・・
ギョギョギョッ!
・ ・・コッ、コレハ、オー、マイガッ!
(洗面所もシャワーも全部の排水が、トイレの浄化槽行きになってるぞ~!)
これじゃ、せっかくの苦心の設計の浄化槽もすぐ満杯だ。
やってくれるぜ!、エンボイ!
かなり古いが、『アッと驚く~、為五~郎!』だ。
その上、彼は1階のキッチンと洗濯室の排水までも、浄化槽に持っていくつもりだったようだ。
私の設計では、一般排水とトイレの下水の浄化槽は別々・・・つまり2つの浄化槽を作っている。
ここまでくると、怒るより笑いたくなるから不思議だ。
(やり直して、これ↑)
週刊誌に載っている、『間違い探し』クイズ。
ありましたね。
一見同じ絵のように見える2枚の絵の、相違点を探すアレだ。
何故か私は、毎日現場であのゲームをやっているような気がしている。
目の前の現実と、私の頭の中にある図面の相違点を探すのだ。
仕掛けが上手いので、ボ~ッとしていると気がつかない。
きっとこれは、頭の体操、注意力を養うには最適だろう。
チームの皆は、私がボケるのを予防してくれているのか。
エンボイ、あ・り・が・と・よ!
ミスっても全然こたえないお前が、私は心底、羨ましい。
古い日本人としては、とてもマネできん。