ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

窓やるぞ~

(手前の塀と木々で下と右の方が隠れているが、これがクラブハウス全景)




窓はガラス屋さんに注文する。


出来合いの規格品も無くはないが、オーダーメイドと云うか、切られた壁に合わせて、いちいち作る方が多い。


サイズや仕様の図面を私が書き、それをもとにガラス屋さんを呼んで見積もりを出させるのだ。




この度、使用する窓の種類は2種類。


(近所の民家の窓)


まずは上のジェラシーウインド。


フィリピンでは『JALOUSIE WINDOW』 正式名は『LOUVERED WINDOW』。 


幅10センチほどのガラス多数が、レバーによりブラインド状に動く窓だ。


日本でもトイレなどの小窓に利用される。



それから日本でも一般的な、下の画像のスライディング ウインドウ(引き違いの窓)だ。


(近所の金持ちの窓)


フィリピンでは防犯目的で鉄格子をはめるが、ウチはリゾートなので鉄格子は無し。


日本人のお客様に、鉄格子はイメージがワルい。



ジェラシーウインドは、フィリピンの気候にあっているので私は好きだが、気密性にやや欠ける。


ジェラシーの長所は、通気性の良さと通気コントロールのしやすさ、メンテも楽だし、割った時のガラスの安さだ。


ルーバーの傾斜で、開けながら雨を防ぐことも可能だ。


しかし値段も比較的安いので、廊下やキッチンなどは採用した。


そして日本人は蚊や虫が苦手だから、網戸も必要だ。


また、厚いブロンズグラスを使い高級感を出したいが、予算的に全部には無理。





たかが窓だが、クラブハウスの1,2階あわせれば、全部で28箇所だから贅沢はできない。


フレンチスタイルや出窓などシャレタ窓も採用したいが、予算的に限られてくる。


日本でもそうだろうが、家というものは、こだわればキリがなくなる。


『妥協点』を見つけること、これが肝心だと思う。




前から知り合いのガラス屋さん、市内のガラス屋さん、使っている業者の知り合いのガラス屋さんなど片っ端から呼び出して、図面と仕様書を渡し、見積もりを出してもらう。


字や図面が読めない人(冗談でなく結構いる)には、一箇所ずつ廻り歩き、窓の開口部を見せて説明する。


28箇所だから、時間がかかるのだ。


説明を聞きながら、ノートに絵で写していく。


覗いてみると子供の落書きのようで、(大丈夫か?)と心配になる。


文盲率=読み書きのできない人の割合は、日本以外の国では意外に多い。




面白いことに、この段階ですでにそれぞれ性格が出ることだ。


一番多いのは、「OK,あした、見積書を持ってくる。」


といって、翌日来ない。


これが一般的なフィリピン人だ。


日本では、明日という字は明るい日と書くが、不思議なことにこの国では、『あした』という日は『なかなか来ない日』なのだ。


ラテン系なのか、勤労意欲の少ない人が多いからだ。


この前の屋根屋さんのケースでは、「あした」=「忘れたころ」、4週間後だった。


当然、他の業者に決まっていて、すでに工事は始まっていたが。



今回の窓屋さんの場合、それぞれの見積額は、10万ペソ(約28万円)から18万(約52万円)ペソの間で仕上がってきた。


「あした」は、本当の翌日から5日後までだった。


同じ内容でこうも値段が違うのが、いかにもフィリピンだが、市内のガラス屋さんが一番安い。


トライシクルで5分と近いし、話を進めることにした。




決める前に彼を呼び、


「最近、材料費がどんどん上がっているんだぞ(知ってる?)。」


「ほんとにこの金額で大丈夫か?」


「追加料金は、払わないけど、いいか?」


と確認すると。




数日後・・・・


「あなたは正しかった!」


(なんじゃそりゃ!)


「仕入れ元に材料の値段を聞いたら、あなたの言ったようにすごく上がっていた。」


「見積もりの金額では受けられない。」


「あと1万2千ペソくれないか?」


と言ってきた。


まったくこれだ!


ナンダ、どっちが窓屋だ!




私は頭の中でそろばんをはじいた。


彼は、それでも他の見積もりよりは、安い。


やり取りで、時間のルーズさも無い。


素直に自分のミスを認めた。



また、彼の住まいはウチの現場から5キロと近いので、何かあった時にも対応してくれるだろうし、お金の持ち逃げもなさそうだ。




よってほとんど彼に決めかけた時、とんだ逆転サヨナラホームラン性の当たりが飛んだ。


以前からの知り合いのガラス屋さんが、「全部で、9万ペソで引き受ける!」と言ってきたのだ。



「え~っ!」と驚くと同時に、これにはどんな『ウラ』があるのか、私はアルコール漬けの脳細胞をフル回転し考えた。


(クラブハウス1階、ここはお客様用のスペースとなる)

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