クラブハウス・1階床の下地ができた
(ストックルーム床の配筋)
クラブハウス1階には、リビング&ダイニング、シャワールーム、トイレ、それからキッチン、ランドリールーム、ストックルームなど計画している。
床は地面より約1メートルレベルが高いから、1ヶ月も前から手の空いたときに、床下用で海からの玉砂利をセッセと盛っていた。
棟梁のエンボイは、叩き上げだけあって仕事の段取りが上手い。
私は、工事の内容に関しては口をはさむが、段取り、つまりいつ何をするかに関しては、エンボイにある程度任せている。
これについては、エンボイはとてもフィリピン人とは思えない(失礼な言い方だが)。
的確なタイミングで、手下に仕事を割り振る。
私もフィリピンでリゾート勤めが長いので、多くの建築チームを見てきたが、工事をスムースに無駄なく進めることに関しては、エンボイチームは全く他者の追随を許さない、と思う、今のところだが。
期待するとバカを見ることがある。
信用すると裏切られる、ということが往々にしてある。
こういう事でも我が日本は特殊な国だと思う。
日本では、まずお互い信頼することが一般的だが、こちらではまず相手を疑う事から入らなければならないから、たいへんだ。
『一番信頼できる人物が、一番危険な人物だ。』という言葉もあるくらいだ。
例えば、日本では乗合いバスは乗った時にお金を払うが、この国では何か物やサービスの対価を先に全額払うことは、ほとんどない。
物はそのものを受け取ってから、サービスはそのサービスが完了してからが多い。
しかし疑うのはサービスや物を提供する側も同様で、通常、ダウンペイメント(手付金)が要る。
いちげんでコネもないレストランを予約しても、手付けを打たないとそれは予約にはならない。
ホテルも同様に前払いを要求されるし、病院では、治療は支払いを済ませてから行われ、入院患者は、夜逃げしないよう、病室の窓には鉄格子が入っていたりする。
救急車も勿論、普通はタダではない。
そう云えばこんな事があった。
以前いたルソン島のリゾートで、ある夜コソドロが入った。
壊れたビデオデッキとか、つまらない物だが盗まれた。
そこで警察を呼んだ。
拳銃やらショットガンを携行した警察が、10人ほどゾロゾロ来た。
まず飲み物と軽食を彼らに提供した。
その後、おもむろに『捜査』を始めた。
あちこちセロテープ(普通の文具のです)を張って『指紋』を採った。
『現場写真』を持参の安物カメラで撮って、フィルム代を要求した。
(スタッフは、『あのカメラはどうせフィルムは入っていないぞ』と言っていたが。)
そして警察の電話は不通(料金未払いのため)だから、何かあったら、ココに連絡して欲しいと言って、個人の携帯番号を教えて帰っていった。
(当時、携帯は肩から下げる箱型だったし、田舎は電波が届かないことが多かった。1警官が携帯を持っているとは考えにくい。この電話番号もデタラメだろう。)
捜査して犯人など捕まえられるとは、はなから誰も思っていないのだ。
無理もない。
彼らの給料は安く、アルバイト無しでは食っていけない。
交通違反の切符を勘弁してもらうのに、幾らか渡せば何とかなる事も多い。
観光客を誘い銃を撃たせたり、空港で世話をしてせびるチップも貴重な収入源だ。
選挙で上層部が変われば、どうせほとんどクビになる。
捜査の予算など無いに等しい。
彼らを動かせ捜査させ、犯人を捕まえるには、バジェット(としてお金)を渡すほかない。
警察官という職業は、公僕ではなく、その立場を利用し自分で収入を得るという職業なのだ。
ビジネスセンスのある警官は、金回りがよくなり出世できる。
幸いなことに、今ここはルソン島ではなくセブ島なので、警察や役所も日本ほどではないが、住民に対するサービス、法律・正義もほぼ正常に機能しているので、まだ安心だ。
イヤ~、話が思いっきりそれた。
本題に戻る。
(シャワールームの配筋)
(ランドリールームのセメント打ち)
(トイレのセメント打ち)
(リビングルームのセメント打ち)
(玄関ホールのセメント打ち)
そう云えば、トイレの浄化槽の上は、結局パイプになった。
万一の場合は、バキュームホースさえ入れられれば良いからだ。
せっかく作ったマンホールだが、誰も(糞尿水の中に)入りたがらないことにエンボイもやっと気が付いたようだ。
玄関入り口の階段は、可哀そうだが作り直させた。
何故なら、踏み代25センチで20センチアップなどというのを勝手に作ったからだ(油断してしまった)。
建物内の階段はともかく、外はいくらでも土地があるのだ。
踏み代30センチ、15センチアップ、に変更した。
これなら奥様Mも文句は無いだろうし、ヨイヨイのフウテンおやじでも楽に上がれる。
床の仕上げは、全ての下地の上に水平を出した厚さ5センチのセメントを盛り、イタリア製のタイルを張る予定。