天井問題が解決か??
1Fの天井工事で、マイッチャッタな話は、この前申し上げた。
「何とかしないと!」と心に誓ったフウテンは、何とかしたのである。
などと自分の手柄のように言うが、実は、何とかなっちゃった、のだ。
屋根やさんの工事が終了して、親方Fに残金を支払った時、1階の天井の有様(冒頭の画像)を見たFが。
F 『木か・・・こりゃ、大変だ、お金が掛かるだろ。』と、のたまった。
私 「そうなんだ、マトウッドなんか、こんな田舎じゃどこ探してもなかなか見つからないし、大量のキャビネット用のラワン材に防虫ペイント、防水ベニヤ、お金は掛かるし・・・何より、俺は火事とシロアリが心配だ。」
F 『なんで、”エンバイロフレックス”を使わないんだ。』
私 「エッ、エンボイ?(←うちの棟梁だ!)フレックス?、なんだそりゃ?」
一瞬、石頭のエンボイが、フレックスになるのか?と思った。
奴のためにもそれは良いことだ。
ご存知かと思うが、フレックス=FLEX=曲がるとか、ほぐすとかいう意味がある。
フレキシブル=FLEXIBLE=になると、人柄が従順な、とか、言いなりになるという意味もある。
そいつぁ、イイ事ずくめだ、素晴らしい!・・・なんて妄想に浸っていた。
冷静なFは続けた。
F 『燃えない、シロアリ来ない、防音、断熱、防水&防湿、軽く施工が簡単、ペンキ不要・・・、100%アスベストフリーなんだ。』
『アスベスト、知ってるか? 身体に悪いんだ。今、問題になってるんだ、あちこちで。』
(要するに『新建材』だ。)
オ~ッ、なんと文化的なんだ!
革命だ!
(エンバイロフレックスのサンプルと効能書き)
田舎のフィリピンスタイルの建築にどっぷり漬かった私の頭は、家といえば、ブロックと鉄筋、セメントと木で創るものという固定観念で懲り固まっている。
イカン、イカン!
F 『今時の価格高騰じゃ、木とベニヤで作るよりむしろ安いんだ。』
フウテンの頭脳は、この「安い!」という言葉にすばやく反応した。
Fよ。お前はやっぱり、いいヤツだ。
わが友よ!
イグレシア 万歳!
私 「こんど、サンプル持って来い。」
「2階の天井は、お前に任すぞ。見積もり持って来い。」
しかしである。
考えてみると、仮りにも私は21世紀のハイテクカントリー、純血の日本人である。
何でフィリピン人に、『アスベスト、知ってるか?』とか言われないといけないのであろうか?
情けね~。
後日、Fはサンプルを持ってやってきた。
やはり、いわゆる天井ボードだ。
しかし、30年ほど前に私が日本で家を建てた時に使った、石膏ボードに紙を貼って模様を付けたようなのとは違う。
進化している!
グラスファイバー繊維を入れてあり、強度が増している!
ボロボロ感もない!
(こんなことで感動する私は、やはり浦島太郎か?)
フレームは、木ではなく亜鉛めっきの金属材を使うという。
すぐ気に入った私は、その場でFに委託すると決めた。
しっかりと、値引きさせたが。
問題は、既に途中までやってしまった1階だ。
張ってしまった角材はしかたないのでそのままにして、防水ベニヤ&ペンキの代わりにエンバイロフレックスを使用することにした。
使用した約150本の高級角材が勿体なかった。
Fの金属材にすれば、天井フレームのコストは半額だったのだ。
シロアリや火事の心配も無い。
しかしあとの祭りだ。
1Fに関しては、施工はエンボイグループにやらせることにした。
(大丈夫だろうか?)
値段の上がらないうちに、1F用のエンバイロフレックス30枚を購入した。
左がエンバイロフレックス、右は当初のプランの防水ベニヤ。
ベニヤの用途は、この先いくらでもあるのでOK。
しかし、Fよ、フィリピンの田舎にも、こんな素材があるとは・・・
何でだ!
何で、もっと早く言ってくれなかったんだ。
とか、今更言っても仕方ない。
とにかく工事の全責任は私にある。
とっとと、忘れよう。
こういう時には、年々、物忘れがひどくなるというのは、いいことだ。
(*2021年3月の追記)
この”エンバイロフレックス”だが、1階は問題なかった。
しかし2階の方は失敗だった。
天井の上、つまり広大な屋根裏スペースの、温度と湿度変化が凄いからだ。
毎日の湿気と暑さの大変動の攻撃で、さすがのエンバイロフレックスも数年でたわみ始め、所々固定ネジも外れ、面倒なことになっていった。
恐るべし・・・熱帯の屋根裏環境だ。
其処で生存できるのは『トコ』(沖縄で云うゲッコウ=ヤモリの一種)(↓)だけだった。
(借り物画像)