ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

けじめなさい! エンボイ

これ(↑)がその証拠写真である。




何の証拠写真か???




コテージ1号のトイレと洗面所の内装工事、タイル貼りを若手NO.1のエリックに頼んで、無事終了。



ちょっと電気配線関係の仕事が出たので、キリのいいところで、そっちをエリックに頼んだ。




そのスキに、棟梁エンボイがニコニコしながら、


『コテージの便器と洗面台あるか?』


と聞いてきた。



「有るよ~」と私が答えると、『じゃオレが取り付けるから出して』



私は、(コイツまた)シャシャリ出てきたなと思いながら、「オ~ケ~。」と渡した。





そして彼は大工Dと共に、便器と洗面台の取り付けを始めたのだ。


エンボイは、たいてい自分の言いなりのヘルパーLか左官のJ、あるいは気のあった大工Dとコンビを組む。



そして冒頭の画像のところで午後5時で作業終了、時間切れとなったのだ。


それは土曜日だった。





日曜休みで、あけて月曜。



朝、エンボイが続きを始めるかと思いきや、エリックがエンボイに呼ばれて引き継いだ。


私は、エンボイが他の仕事を始めるので、エリックに譲ったかと思っていた。


(実は、そうではなかったのだ・・・)




しばらくして、洗面所を見に行くとエリックが浮かない顔。



そうこうするうち、先輩のKを呼んでなにやら相談したり、管理人のオバチャンまで一緒に悩んでいる。



それまでは私に知られたくない風だったので、知らぬフリをしていたが、こうなると私も捨てて置けない。




私:「何が問題なんだ?」



エリック、K、オバチャン:『(お互い目を見交わせて)・・・・無言』




そこでもう私は確信した。




エンボイをかばっているようだ。


私:「(エンボイが)先にポストを固定しちゃったから、仕事が出来ないんだろ~?」



エリック:『ポストが邪魔で・・・・(配管が)・・・。』



しぶしぶ認めるエリック。





『ポスト』とは、洗面台を支えるようなデザインの支柱のことだ。


(冒頭の画像でいうと、右のU字断面の陶製のパーツである。一番奥の箱の下はポストの上にのる洗面ボール。)



運悪くあいだに日曜があったので、完全にセメントが乾いてしまい、ポストを外すことは困難だ。




そこに地獄耳のエンボイが、ガガッと乗り込んできた。



エンボイ:『なんで~! ナンで出来ないんだぁ~。』



『こうやって、こうやって、こうすりゃ簡単だろっ。』




と、ひとりでまくし立てて、来たときと同じようにガーッと出て行った。




エリックは、エンボイが叔父さんであり、元師匠であり、かつ年長の先輩であるのでひと言も文句は言えない。




私は、(ちょっと頭にきて)じゃ、エンボイお前がやれ、と思ったが、彼ら同士の問題なので様子を見ることにした。



そして、また暫らくして、見に行くと相変わらずエリックが悩んでいる。


私:「ドウだ、様子は?」


エリック:『配水管から水が漏るんだ、(ポストがジャマで)手が入らないから締められない。』



私:「どうしても無理だったら、ポスト外してもいいぞ。なるべく割らないようにな。」



エリック:『もう少しやってみる・・・・』





・・・暫らくして、仕上げ用のタイル(グラウト)セメントをとりに来たので、エリックは結局ナントカしたようだ。



『ヤレヤレ』と言う顔をしていた。




カタチは完成、これで(↑)どうにか問題解決。



給水の配管は、屋外の水道配管をした後の事になる。




これが問題のポスト裏の排水パイプ。


面(ツラ)が、若干かしいでいる。





本来は、この仕事の段取りとしては・・・


ポストを仮止めし、洗面ボールの位置を測ってポストをどける。


先にボールを取り付け、配管して、最後にポストを固定する、が正解だ。




それを、エンボイが一番先にポストを固定したため、ふたつの問題が起きた。



ひとつは洗面ボールの取り付け高さの誤差が許されなくなり、作業の難度がとても高くなった。


(後からポストを固定すれば、ポスト下のセメントの厚みで高さは調節できる。)




もうひとつは、ポスト裏の配水管の施工がとてもやりにくくなったのだ。



(ポストがなければ、5分もかからないのに)




だから真相は、朝出てきて自分の失敗に気が付いたエンボイが、この難作業をエリックに振ったわけだ。



総合的に評価すれば、エンボイは良くやっているが、今回のようなミスもよくやるエンボイだ。




しかし、私が思うに、今回のように、エンボイに強引に無理難題を吹っかけられることによって、若手NO.1のエリックが育ったのであろう。



いわばこれは、『愛のムチ』、エンボイが与えた『試練』なのか?



イヤイヤ、『愛の鞭』でなく、『エンボイの無知』だと思うが。





それにしても・・・



「ずるいよッ! エンボイ。」


と云ってやると、笑ってゴマかした。



これで、ここの配管が要注意ポイントになった。


私のチェックポイントが、またひとつ増えた。




どんなことでも確認、チェック、チェック。



自分で確かめるまでは、信用するべきではない。



そうしないと足元をすくわれる。



(白髪と酒量が増える・・・・)

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