南十字星と ニセ十字・・・(遠くへ来たもんだ)
クラブハウス2階のテラスから、昼間の北側の眺め。
隣の土地は、椰子の木だらけです。
1970年代にこの国に来た知人曰く・・・
『椰子の木50本あれば、ひと家族10人くらいは楽に食っていけた』
昔は”シンプルライフ”でしたから、生活コストも安かった。
1年中実る椰子の実から獲れるコプラは、高値で売れる・・・
実の殻や葉は燃料や炭、そして箒や束子になる・・・
老木は、伐採し材木となり、硬い皮の部分は、塀や壁材になる・・・
さて先日、目が覚めて、もう朝だろうと思い、起きたら・・・午前1時でした。
一服しにテラスに出たら、目の前に北斗七星がデカデカと瞬いておりました。
天上ではありません。
椰子の木のすぐ上、目線の角度です。
小学校で習ったのと同じ、今でも?柄杓(ひしゃく)の形です。
日本と違うのは、柄杓が真下(地面)を向いている――伏せた状態になっている、ことです。
ということは、柄杓の深さの5倍先に位置する北極星は、空の上ではなく、椰子の木の根元あたりに沈んでいる、という事になります。
つまり、当地では、夏場は北極星はほとんど見えません。
地球の丸みの先に、北、つまり東京やカムチャッカ、北極があるというわけです。
ですから、北極星は、当地では航海の指針には使えません。
でも北極星の代わりに、“南十字星”があります。
日本で、北極星が北の方角の指針になるように、セブ(まだ北半球です)では、南十字が南の指針になります。
(上に書いたように、セブ島南端でもまだ北半球ですから、南十字は冬場は低く、最も高く上がる6~7月ごろでも、仰角40度くらいです)
ご存じの方もいるでしょうが、南十字⁽星)にはニセモノ、ニセ南十字⁽星)があります。
上は借り物画像です。
左は南十字星、右がニセ十字です。
大きさは、南十字よりニセ十字のほうが大きいのですが、偽⁽ニセ)十字は、十字架のように直角に交差するのではなく、ちょいと斜めというか、少し歪んだ ✖ のような感じなのです。
一等星の位置も違うし、見慣れれば簡単に分かります。
街明かりが少ない=場所によっては全くない=田舎では、日没後は星々や月は、方角を知る上で頼りになります。
(もっとも、普段から、星空を眺めて覚えていないとダメですが)
慣れた人ですと、(周囲の星の並びで)時間までだいたい分かるようです。
しかし・・・まぁ~(なんというか・・)
「♪ おも~えばぁ~ 遠くへ来たもんだぁ~ ♪」