お座敷用の台所を作る・・・後編
内部もキッチンらしくなってきました。
(前回の続きです)
調理テーブルにタイルを張る。
タイルを張るためのセメントをこんなに厚く・・。
接着力を強くし硬さを出すため、砂を混ぜずセメント粉だけで練っているので、厚くされるとコストがかさむ。
(まぁ、仕方ないでしょうね)
“コスト”など考えない人達ですので、いつも注意するのだが、すぐ忘れられてしまいます。
下地の『レベル』がいい加減ですので、必然的に厚くなるという、技術の無さも関係しています。
下地の出来が良ければ、3分の1、ハーフインチ⁽約1.5センチ⁾で充分なのに・・・
(まぁ、傾いたテーブルを作られるよりは、いいでしょう)
セブ市のホームセンターで買った、シンク取り付け。
彼らの使ったことのない様な、シャレた高級蛇口はすぐ壊されるので、この場合はシンプルなものほど良いです。
例えば、うちの2人のメイドさんは、“電気保温ポット”の存在を知りませんでした。
(ウチの電気ポット)
使い方・・・といっても水を入れてコンセントに差し込むだけですが・・・を説明して、
「日本茶やインスタントコーヒーなど飲むときには、すぐお湯が出るから便利だよ」、と言っておいた・・・。
しばらくして、お茶を飲もうとしたら、ポットからドボドボとインスタントコーヒーが出てきました。
電気ポットの中にインスタントコーヒーの粉を入れたのでした。
何しろ、フィリピンのド田舎の村です。
こんなことも目撃しました。
ジップロックの存在を知らず、ジップロックのビニール袋にガシッと歯で噛み付いて、破ってあける人達です。
こういうカルチャーショック(?)は、この国に何年住んでいても、高性能機関銃のようにとどまることを知りません。
2人で4日ほどかけて製作した、12枚のキャビネットドアを取り付ける。
内外の壁を、ラテックスペイントの3度塗りで仕上げる。
天井の2か所に照明を設置。
電気配線して、スイッチ、コンセント、ブレーカー器具を取り付ける。
と、マアかたちになりました。
あとは、棚をつり、小物類を取り付け、仕上げのペンキを塗って終了かと思いきや、窓屋さんがまだ来ていませんでした。
本人が、みずから約束した期日を、2回もスッポかしているという『フィリピンスタイル』です。
だのに、そんなに驚きも怒りもしない私も、おかしいでしょうか?
この国に、まして田舎には、約束だの責任だのという認識は、あまりないのです。
日本以外のアジア諸国は、どこも似たり寄ったりであります。
(アフリカ、中南米、中近東なども同様と聞きます)
『熱帯』という気候の所以(ゆえん)でしょうか?
でも中国も北朝鮮もロシアも、約束破りはお手の物のようですので、一概にそうとは言えないでしょう。
日本人だって、十人十色ですし・・・
腹を立てて、平常心を失ったらこちらの負けです。
「ここは日本ではない」
「むしろ、時間や約束を守る日本人のほうが、世界的には異常な人達なのだ」
・・・そう思って、無理やり納得するのが、ストレスを溜めない処世術です。
とはいっても・・・・