ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

おかしいぞ、フィリピン

(千ペソ札)


*以下全文は、今から14~5年前のお話ですが・・・・



モノの値段=物価の話である。


例えば、タバコの値段があちこちで違う。


村のサリサリストア(個人営業の小さなよろず屋)、町のスーパー、都会のデパートなど、それぞれ勝手な値段で売っている。


しかしこの程度のことは、日本人であるフウテンも我慢というか、納得できるのだ。


ココは外地、当地はタバコの価格は別に統制されていない。




しかしこれはどうだ!


今年(=当時の今年)1月18日、10ミリの鉄筋一本=132ペソ。


2月16日、139ペソ。


3月13日、145ペソ。


3月25日、157ペソ。


4月2日、165ペソ。


うちで購入している資材店の値段だ。


他所はこれよりそれぞれ5ペソくらいずつ高い。


あまり使わない8ミリを除けば、10ミリは一番安い鉄筋だ。



(ウチのような鉄筋コンクリート建築は、鉄筋を大量に使う。)




おかしいぞ!


イカレてる。


2年半前から、ペソは強くなり、フィリピンの経済はそこそこ安定し、景気は悪くない。


元来この国の物価は、ドルをベースとしていた。


それがここのところのドル安にもかかわらず、物価は変わらず上がり続けている。


確か14年位前(=1995年ごろ)は、サンミゲルビール1本7ペソくらいだった。


今18ペソ。


6年前ガソリンは、1リットル25ペソくらい、14年前は、記憶では12ペソくらい。


今50ペソ近い。


ペソの対ドルレートはず~っと下がり続けていたのに、しばらく前に止まり、ここ一年くらいはペソが高値を更新している。



フィリピンは、インフレか?



チョット待った!


経済に弱いフウテンとしては、こういう話を続けるのは、やはり相当無理がある。


そこは専門家に任せておこう。




簡単なところで云うと、1万円の両替レートだ。


コロコロ変わる。



14年位前(これは私の初フィリピン頃=1992年頃になる)、1万円=約2000ペソ(当時は1ペソ≒5円)。


その後(実際はその前からだろうが)対円のレートは上がり続け、4年位前に最高5500ペソ(1ペソ≒2円以下)まで行った。


それから下がりだし、半年前は3400ペソくらいまで落ちた。


その後回復しだしたが、今(=2021年現在だと14~15年前)の円高でも1万円=4100ペソ止まりだ。



仮に貴方様が、両替店に1万円を持っていくと4年前は5千ペソ、今は4千ペソしかくれないということです。



(時制がややこしいが)お分かりいただけるだろうか?





ここで話が戻る。



建築資材の値段は、もちろんペソである。



物によっては、月に2度は上がる。



そして下がったことは今だかつて無い。




分かり易く?、具体的に例を挙げる。


2003年の、1万円が5千ペソ以上のときに、1千万円で10ミリの鉄筋(そのころは1本60ペソくらいだった)を買ったとすると、


(仮に1万円=5,000ペソ、10ミリ1本=60ペソとして。)
1千万円=5ミリオン(5百万)ペソだから、10ミリ鉄筋が83,333本 買えた。



今はどうだろう。


(仮に1万円=4,000ペソ、10ミリ1本=165ペソとして。)
1千万円=4百万ペソだから、10ミリ鉄筋が=24,242本・・・・だけ。


信じられないけど事実。


(10ミリの鉄筋)



両替レートと物価の関係とは、実に恐ろしいことなのだ。


計算間違いではない。



乱暴に鉄筋の値段だけから言えば、2003年に1千万円で建てられた家は、今(=14~15年前=2007年ごろ)なら3千5百万円出さないと、建たない事になる。



こんな話は外国ならではで、日本に住んで居ると考えられないことだ。



他の建築コストは例えば、2003年当時とさほど変わらない人件費などもあるので、実際は2千5百万くらいと思うが、それでも凄いことだ。


今は建築には、思いっきり逆風なのだ。


建て主はみな、苦労していると思う。


フウテンおやじの場合は、アルコール漬けの身体が咽び(むせび)泣いている。





ところが、ところが、ところがだ!


景気が良いせいなんか知らんが、
私の行動範囲内では、『建築ラッシュ』なのだ。


フィリピン人の家、外国人の家、ビーチリゾート。


これは理解の範囲を超えている。


フィリピン人ならともかく、資本金が外貨である外国人もなのだ。


ウチもそのひとつなのだが。




なんか分からん!


おかしいぞ!、フィリピン。



ついでに、もうひとつ聞いて欲しい。


田舎では手に入らない資材の買い出しに、セブ市のホームセンターまで行った時のことである。


(セブ市のホームセンタ-のタイル売り場)




そこの道路の向かいが、広大な材木の卸売商だった。


自分のところで製材している云わば、製材所だ。


ちょうど天井張り用の2インチ(約5センチ)角の材木を大量に(200本ほど)欲しかった。


チャ~ンスとばかりに、そこの事務所に飛び込み値段交渉をした。



ところが、ところが、ところがだ。


いつもの資材店で買うと、2×2×12(2インチ角で長さ12フィート=約4メートル)の角材が160ペソ(400円)なのに、同品質で192ペソだという。


値引き交渉しても2%=4ペソまでだと言う。



(ウチにある2×2×12のラワン材、奥はメインドア用のマホガニー材のパネル)



??おかしいぞ。


いつも買う資材店は、こういうセブ市の工場から買って(仕入れて)いるのだ。


私は元売りで買えば、当然もっと安く買えると思ったから、聞いているのだ。



こんな価格設定が、あっていい訳は無い。


雰囲気では、外国人だから吹っかけている感じはしない。


同業者と競って商売するという意識が無いので、こういうことが起こるのか?




要は、タバコだろうがナンだろうが、皆が売り物に勝手な値段をつけて売っているのだ。


それで商売が成り立つほど、この国のひと達は算数ができない(のか?)。



コスト計算とか、利益率とか、競合他店との競争力とか何も考えていないようだ。




*ちなみに上の記事を脱稿した2021年2月8日では、1万円が4,540ペソ(1ペソ≒2円20銭・・・マニラ両替商レート)となっている。

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