これぞ、アジアンテイスト!
クラブハウス2階からの眺望、西側の道路とその向こうの山。
いつものようにすっきり晴れましたが、実は深夜から未明にかけて、熱帯特有の強い雨が断続的に降りました。
屋根に叩きつけるような雨滴の大きさです。
雷もずいぶん鳴っておりました。
しかし、ココはのどかな村。
敷地内にいくつかの水溜りを残して、草木は青々としております。
西の空には目測で4百メートルくらいの山が見えておりますが、雨はいくら降っても熱帯雨林と土が吸収し、余分な水は川に流れ、東の海に還っていきます。
地面がアスファルトやコンクリートで固められた都会に、こんな激しい雨が降ったらどうでしょう?
排水溝や下水施設が溢れて、町は水溜りではすまないのではないでしょうか。
村民は朝っぱらから、ラジオ最大ボリュームです。
のんきな連中です。
朝一番にチェックいたしましたが、ニッパヤシの葉で葺いたコテージ1号は、当然のように一滴の雨も漏りません。
たいしたモンです。
さて・・・・
上が噂のサクサクシート。
海辺の1号コテージのコンセプトは、『快適なネイティブ』。
そのコンセプトに沿って、ベッドルーム以外は統一している。
都会的な洗練された客室のホテルだったら、同じセブ島のマクタンに山ほどある。
日本にだって、ウナっている。
(仮に私がお客様だとしても、セブ島の田舎まで来て、味気ない綺麗なホテル然とした所には泊まりたくないと思う。)
私は素人建築士、デザイナー、現場監督&雑用係り、である。
そんなありきたりの建物を目指したら、プロに敵(かな)うわけは無い。
私にしか創れないものを目指す。
インチキ現場監督とウデの悪い職人集団、落ちこぼれ同士が力を合わせて、ベストのリゾート、コテージを作ればいいと思う。
例えばそれがサクサク仕上げの壁だ。
ウチはあくまで表装だけだが、山奥の貧困層の住まいの場合、こういった編んだシートが、内壁であり外壁だったりする。
つまりこれ1枚だけが、『外』と『家の中』を隔てているのだ。
(薄いベニヤ板1枚よりは、ずっと良い)
あ~だこ~だとジタバタしながら、サクサクシートを仮止めするウチのスタッフ。
もう諦めているが、うちの連中はだいたい5~6人で2人前。
それで構わない、ここはセブのド田舎の村だからしかたないのだ。
コンクリートブロックの壁に桟木を打ち付け、シートを仮止めする。
デザイン(柄)を合わせ、上からさらに桟木で固定していく。
こんな感じで施工した。
壁は、胸の高さまではモルタルで仕上げペイントしてある。
ニッパ椰子の屋根、70年前の古材木で組んだトラスとサクサクの壁は、昔からそこに有ったように、ピッタリとマッチする。
桟木にヤスリをかけ、オイルウッドステインのマホガニー色を塗ってから、全体をニスで仕上げる。
既に異空間のようになった。
リビングは天井を張っていないので、天辺まで床から6mある。
こんな感じ。
右端は丸太の様に化粧した、実はコンクリート柱。
左下は簡易キッチンと流し、簡単な調理なら出来る。
中央右のドアの奥はベッドルーム。
ベッドルームだけは、高さ3mで天井を張った。
ドアパネルは、巨匠:Dが古材木で作った。
(・・・次回に続く。)