ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

快適なネイティブスタイルとは・・・


(↑)鉄筋コンクリートのビーム(梁)を、木製風に見せるために塗装する。




上の前回記事と話は前後するが、コテージのコンセプトは、『快適なネイティブ!』。



普通サクサクやアマカンシートは、木造住宅の木の柱に桟木を渡して、貼って(施工して)いく。


シートを内外とダブルに貼る場合もまれにはあるが、シングルが多い。


つまり、本来の使途では、これらのシートは『壁』そのものなのだ。



しかしそれでは『ネイティブ』過ぎて、音は筒抜け、3ミリ厚の『壁』の外は外気に満たされ、プライバシーもセキュリティーも田舎スタンダードだ。


強い横殴りの雨だと、染みてくる。


ごく一部の人を除き、平均的な日本人が快適に過ごせる筈はないのである。




コテージのコンセプトは、『快適なネイティブ!』。



サクサクシートで表装した壁を仕上げている。



私の独断設計の場合、まずコンクリートブロックで壁を作り、その壁に桟木を打ちつけてから、サクサクシートを張り、更なる桟木で固定している。


こうする事により、上記の欠点は削除される。




コテージのコンセプトは、『快適なネイティブ!』。


半面、完全ネイティブの場合の利点には、通気性と熱のこもらなさがある。


アマカンやサクサクは、長時間強い日射にあぶられても、コンクリートと違って蓄熱しない。


風が止まる夕凪どきには、コンクリート壁のこの蓄熱がこたえるのだ。


(特に西日を浴びる西側壁は、3時頃から室内がやたらと熱くなる。)


日差しで熱くなったコンクリートは、夜になっても冷めない。



この熱はウチのコテージの場合、サクサクシートとの間に、桟木が作る厚さ2センチの空気の層があり、コンクリートの熱が、ダイレクトに室内に伝わらない事によって防げるのだ。


放熱は、主に温度差のある外部(室外)方向にされ、室内に壁からの熱は来ない。



例えば、風上に立っていても焚き火に近づけば熱いように、『壁の温度』というものは、快適な住まいを得る為の、需要ファクターのひとつだと私は考えている。


しかしこの『コンクリート+空気層+サクサクシート』と言う壁構造では、オリジナルネイティブの『通気性のよい壁』、という利点が失われてしまう。




カピス貝の障子を、左右開きに取り付けた。
(外側にもガラス窓・・ジャラシーウインド・・がある)




そこでその欠点を補う為に、私は設計の際、次の工夫を凝らした。


床を地面より90センチ上げ、更に床から鉄筋コンクリートのビーム(梁)まで3メートル30センチ。


そして、梁から高さ2.4メートルのトラスを古材木で組み、屋根をニッパヤシの葉で葺いたのだ。




照明は、壁のアクセントとして満月をイメージし、丸い照明を付けた。




さらに、天井を張らずに、屋根まで(床から最大高さ6メートル)スコーンと吹き抜けにした。


熱い空気は上にしか行かない。


ニッパの屋根と古材木のトラスは、瓦やトタン屋根、金属のトラスのように蓄熱しない。


しかも、ニッパ屋根には通気性がある。


おまけに、庇(ひさし)の四隅にベンチレーションを設けた。







コテージのコンセプトは、『快適なネイティブ!』。



ダメ押しは窓。


床から窓まで130センチ、通常より高い。


天井が一般よりずっと高い為、よい通気性を得るには窓も高いほうが良いし、見た目のバランスもベターなのだ。


当然の結果だが、外部からは窓まで2メートル程となり、中を覗こうとしても無理、プライバシーも向上した。


エアコンのある寝室以外は、全部ジェラシー(ルーパー)ウインドとした。


スライディング窓(いわゆる普通の引き違い窓)に比べ、段違いの通気性と風量調節能力がある。


(後ろ姿は私の奥さん)


コテージのコンセプトは、『快適なネイティブ!』。


このコンセプトを具体的に表現すると、清潔さやプライバシー、セキュリティの面の充実もあるが、『エアコンや扇風機の必要を感じさせない。』と言うことに尽きる。


ココは熱帯なのだ。



・・・・なんか書いていると、『プレゼンテーション』しているようで止まらないが、自画自賛も程々にしよう。


何しろまだ完成していない。


それに繰り返すが、フウテンは素人である。


あまり真に受けて貰っても困る。




しかしだ。


現場から近代的建築?のクラブハウスに戻ると、やはり蒸し暑く感じてしまうのである。



風通しの良い2階建てのクラブハウスでさえ、このエコなコテージには、とてもかなわない部分が多いのだ。

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