お座敷のテーブルを作る・・・前編
夜、クラブハウス2階のテラスから撮りました。
コブコブの変な雲のスクリーンの中で、満月が光っております。
(見にくいですが)よく見ると、月の8時方向になにやら影が・・・・。
せんだってのジンベイ鮫(↓)が、昇天していくのでしょうか。
さて、お座敷に掘り炬燵などという洒落た細工を設けることは、この前(↓)お話いたしました。
もちろん、暖をとるわけではなく、膝や腰に負担をかけずに座るためであります。
足を入れる『箱』はすでに出来ていますので、テーブルの製作に取り掛かりました。
設計担当は例によって私、素人設計士のフウテンです。
“ヨッパライ人間工学”にバッチしもとづき、寸法を吟味いたしました。
テーブルを『箱』よりどれだけ大きくするか?
箱のサイズと深さは?
竹張り床面からテーブルトップまでの高さは?
テーブル足の構造、人が座るときに、邪魔にならないテーブルの足の固定方法、に私のボケ脳は、かなり大量の酸素を消費いたしました。
製作担当は、当然、“巨匠”、別名“ヨッパライ大工”、のドドンであります。
私が出した条件は・・・
木は、すべてボロ屋の72年前の、古材木だけを活用すること。
(材料費をかけたくないのも理由ですが。)
テーブルは、厚さ2インチ(約5センチ)以下にしないこと。
この2点であります。
そして始まりました。
(古材木置き場1)
(古材木置き場2)
まず、現場の古材木置き場(雑然と無茶苦茶に置いてある)を歩き回り、掘り起こし?、使えそうな木を探します。
私ではありません。
ドドンが、であります。
古材木置き場は2箇所ありますが、すでに家具用などで相当数が拉致され、残りクズだらけになっていて、探すのが大変だからです。
私フウテンは考える人。
ドドンは作る人です。
ラワンの2×3(2インチ×3インチ)の角材を発掘した。
カットしてカンナをかけ、木を組むための切込みを入れます。
書くと1行ですが、全部“汗をかかないレベル”で手作業ですので、ここまででも数日掛かります。
『汗をかかないレベルで』というのは、“南洋式働き方?”のことです。
あえてフィリピン式とは言いませんが。
熱帯の海沿いは、30度くらいが『常温』ですから、一心不乱に働くと汗が吹き出ます。
汗を出しますと、熱帯では体力を消耗しますし、腹も空きますので、なるべく汗をかかないように(休み休み)働きます。
例えば、仲間とダベル合間に手を動かすとか・・・
二人で一組となって、ヤマハブラザーズのように(←知らない人ゴメンナサイ)タッグマッチで動くとか・・・
汗が出そうになると、獲物を狙うヤモリさながら、暫らくじっとして動かないとか・・・
など、スタイルは臨機応変で様々です。
日差しのあるときは、ベニヤ板や椰子の葉などで、直射日光が体に当たらないように、自分自身を『養生』するために、(屋根?を作るので)本当の仕事以上に、手間と時間をかける場合もあります。
初めてこのスタイルを見た日本人は、あきれると同時に、建て主であれば、真っ先に『人件費』がチラツキ腹も立つでしょうが、私は慣れました。
木工ボンドや、エポキシ接着剤を駆使して、木を組んでいく。
だんだん形になってきました。
この国の労働者のレベルからすると、うちのスタッフは全員よく働くほうですし、巨匠:ドドンも酒も飲むが、仕事も良くします。
腕のほうは、ド田舎では”名大工”です。
(後編に続きます)