ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

給料の前借り話




(某年某日、午後2時―現場着) 


今日もまじめに働いている。


工事の進み具合のチェック、追加注文のため資材のチェック、敷地のチェックなどルーティンワークをこなす。


チームが仕事に慣れてきたので、今週からワーカーを2人追加した。


計8人だ。


2人ひと組で穴を掘っているので、サボリは無いようだ。


ワーカーを増やすと一人当たりの仕事量=効率が悪くなることがあるので、タイミングが難しい。



次の予定のビーチのシーウオールの構造と材料について、エリックと相談する。


ひとりのワーカーが、「両サイドの塀が終わったら、海側より先に道路側を作るべきだ」と進言してくる。


そうしないと今までのように、近所の連中が勝手にどんどん敷地に入って来てよくないというのが理由だ。


検討の余地があるし、前向きな提言は簡単につぶせないので、「検討する」と答えておく。



帰りのバスを待っていると、遠慮しいしいアドバンス(給料の前借り)が欲しいと何処からともなく聞こえてくる。


フィリピン人得意の前借り、借金である。


(とうとう来たな~)と思ったが。


「なんでー?」と聞くと。


「来週ここの町のフィエスタだから、おカネがいるんだ。」とのこと。


ラテンの文化の濃いフィリピンでは、フィエスタ(フェスティバル=お祭り)は、クリスマスと並ぶビックイベントだ。



「そうか。よ~し、俺に任せろ!」


「奥様Mに掛け合ってやる!」


と太っ腹ふうな責任のがれをして、みんなの希望金額を聞く。


そして・・・・「ところでいつ返すんだ、給料天引きでいいんだろ?」


とたんに皆考え込み、希望額が現実的な金額に変わる。


マジメな連中だ、ホント。


内心笑う。



ルイーラの停めてくれたバスに乗って現場をあとにする。


チームの仕事ぶりは今のところマジメ、合格だ。


今度は、カネの貸し借りはどうかな?


次のチェックポイント、またひとつ”楽しみ”が出来た。

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