ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

「囲い」に何百万?


♪いっな~か~ぁのバスは、オンボロぐるま~ぁ、
デコボコみちを~、ガタゴトはっしる~。



こんな古い歌、誰も知らなくて、ゴメンなさい!


今日も今日とて、バスに乗って、現場に向かう。


今いるところから35キロ、ノーエアコンバスで20ペソだ。


車掌によって、料金が違う。


セブ島の東海岸通り、この辺りは、100%きれいに舗装されているので快適。


西伊豆を走っているような感覚だ。


この時期は暑くもないし、気分は爽快。




実は私は久しぶりの現場である。


クリスマス前から年末年始は、あまり動かないほうがいいと云う事を、この国に住んでいる外国人は知っておくべきである。


長くなるので説明は省くが、良い事はあまり無いから。


10:35AM、現場着。






久しぶり、みんな~、生きてるか~!


バスを降りて、敷地に入り一番奥、海岸で働いていた。



「ボス、石がたりないでがす。」



「今日トラック2杯来るから、大丈夫だよん。」




 天気はいいが、海は季節風のため波立ち荒れている。


シーウオール工事は、5分の1くらいのデキ。


遅いのだ。


左端にセメントコネのゴディン、要のエリックが右端で積み役。


その距離2~3mの間に、石とバケツ入りのセメントのリレー役4名という、フィリピンスタイルの仕事ぶりだ。



簡単に言うと、同じ時間には一人しか動いていない、同時に二人以上動かないわけだ。


なんか3人で1人前の働きという感じの、今日のワーカーだ。


これだと人件費の安さも、相殺される・・・




この調子ではいつになったら、敷地の周囲の囲いが終わるか見当も付かない。


サイドの約200メートルのブロック塀は、トップの飾りを残しほぼ終了。


フロントの道路側はまだ全く手付かず。


ここだけの話、今までの材料&人件費で24万ペソ掛かっている。


24万ペソといえば、最近のペソ高の1万円=3600ペソのレートだと、67万円ほど。


高いか安いかって?



私の感覚では、非常に高いのです!




日本に居ると分からないが、この国の建材の価格はなぜか常に上がっていくのだ。


例えば、鉄筋は3年前の約2倍、セメントは、30%アップです。


このペソ高の今、恐ろしくて円換算などしたくはない。


仮に5年前に1000万円で建てた家と同じものを作ろうとすると、今は2000万かかるという感じ。


建築資金は、私のお金ではない。


出資者の方々からの大事なお預かりものである。


1円も無駄金は使えない。


仲介人のキックバックコスト(コミッション)を回避するため、私は人を介さず、自分で少しでも安いサプライヤーを探し、さらに1ペソでも値切って材料費を節約してるが、焼け石に水というヤツだ。




この国では、よく家の前にセメントブロックや砂を積んでいるのを見かける。


日本人は、作り掛けで止まっている住宅が多いのを笑う。


しかし、あれは庶民の貯金のような物。


お金が有る時に材料を買っておいて、将来使う。


お金は有れば使ってしまうし、インフレで価値はドンドン下がる。


しかし、砂やブロックにしておけば、なくならないし価値は増すのだ。


作り掛けで工事がストップしている家が多いのも、とりあえず、有るお金で出来るところまで作っておこうという、この国の事情に合った、まことに理に適ったフィリピンスタイルである。





「コチットラ、江戸っ子で~い。」


「そんなまだるっこしいマネができるけぃ!」



私には、決められた資金と時間でリゾートを創る、という使命があるから。


だから、M様(奥様)がんばるのだ、貴女だけが頼りです。


私はただのフウテンオヤジで、浮き草人生のエキスパートだから。




「チームの皆様!、あとでこれで元気付けてですね、明日からもう少しスピードアップしてね」、とエリックに酒代200ペソあげた。



×

非ログインユーザーとして返信する