ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

「ヤシの葉葺き」屋根・・・その1

(これが素材の『ニッパ』)



怒涛の勢いで、ビーチコテージの屋根のトラスを仕上げたウチの棟梁エンボイが、「ニッパを買ってくれ~。」と言ってきた。


ビーチコテージの屋根を葺(ふ)くためだ。


「オ~シ!わかった。」と答えて、早速奥様Mと値段のチェック。



ニッパとは、クラブハウスの「キタローキャビネット」の屋根に貼ったアレ(↓)である。




通常は大量に買う場合は、隣りのボホール島の生産者とコンタクトをつけて、船で運んでもらいウチのビーチで受け取る。


その線でいこうとしたが、次の荷がいつ出るか分からないという。


しかたないので、あちこち聞いてみると、30キロほど離れた港に既にニッパが揚がってがっているという情報を得た。


ニッパの値段を聞くと、1バンドル(ニッパの場合は10枚で1バンドル)36ペソだという。



・・・高い。


これに移送の車代もかかるのだ。


いつものウチの資材店2軒に聞くと、1バンドル(1束)35ペソだという。


こちらは、もちろん配達料は込みになる。


じゃあそっちで買うかと注文すると、『品切れでいつ入るか分からない』という、よくある話。


しかたなく、離れた港の高いニッパを、軽トラックチャーターして運ぶことにする。


エンボイのリクエストは『100バンドル(1000枚)』だ。




このニッパの搬入前に、やることがある。


1は、屋根の稜線(?)部分に張るトタン板の準備だ。


このために、古民家から回収した屋根材をキープしてある。


新品のトタンを買ったほうが・・・と思う向きもいらっしゃるかと思うが、そうとも限らないのだ。


何故なら一般的な”0.4ミリ厚”の屋根用トタンでも、実寸は昔の物のほうがぶ厚く丈夫で質がイイのだ。


この違いは、ちょっと触ってみただけでわかるほどの違いだ。


しかしそのままでは、使えない。


表面のさびを落とし、サビ止め塗料を2度塗りして、以前の釘穴を全部シリコンのコーキングで埋める。



面倒だが、この国の人件費の安さがコミットする。





(稜線部分は、収まりをよくするためにU字型に曲げておく)



(サビ止め塗装の2度塗り)




稜線のトタン部分に使う釘(アンブレラネイル)も、先に買っておく。





そして2は、全体をカバーするネット(網)を手に入れることだ。


ニッパ屋根の保護のためにネットで覆うことは、雨漏りや劣化を防ぐ良い方法だ。


簡単に云えば、台風の強風で屋根が飛ばされるのを避ける。



ネットは丈夫な魚網を使う。


ネグロス島のドマゲティ市の専門店に行き、1インチ目の魚網を100平米分買ってきた。


幅が3メートルであるから、60番の太いナイロン糸(釣り糸)で繋ぎ合わせて使う。




右側のオバちゃんは、ウチのスタッフのひとりであり、現場の管理人。


オバちゃんの旦那は漁師。


網の繕いは、誰よりもオバちゃんが一番上手い。



(すごい速さで網を繋いでいく)

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