イヨッ、大棟梁~!
ビーチコテージのビーム(梁)を作り始めた。
今回のコテージ造りは、“スリム”がテーマ、コンセプトだ。
画像のように、コンクリートブロックと同じ厚みのビームをこしらえている。
ただし鉄筋は通常のビームと同じだけ入れ、上下を40センチ、つまり通常より幅が無い分高くした。
私は建築士資格は持ち合わせていない。
しかし此処フィリピンに限って言うと、このブロックと同じ厚みの平屋用ビームは、予想外の恩恵があった。
何故なら、少し判りにくいかもしれないが説明。
フィリピンスタイルの建築では、普通は壁のブロックをある程度積むと、ビーム(梁)の型枠を作りビームを先にセメント打ってから、ビームと壁のブロックの上部の最後の部分をモルタルで埋めていく。
簡単に言うと、壁の上部とビームはちゃんと繋がっていないのだ。
当然強度的には、壁と梁は鉄筋とセメントで一体となったほうが、断然強い。
今回の第一コテージの場合、壁とビームの厚みが同じになる構造で設計した。
つまりブロックをテッペンまで全部積んでから、ブロックの縦筋をアンカーとして、ビームの型枠を組み、ビームのセメントを打つという工程にした。
これだと、壁とビームがほぼ完全に一体構造となるのだ。
壁はそれ自体だけでなく、ビームからも強度を貰える(と思うのだ)。
壁を仕上げてから、縦筋をアンカーにして配筋を組む。
これが噂のエンボイ流、鉄筋大サービス。
柱には16ミリまで使って・・・
鉄筋の値段は今高騰し、半年前の2倍する。
経費が心配なフウテンは、彼の配筋を見るたびに、胃ガンがシクシクして、みぞおちの辺りがキリキリし、時として地面にうずくまってしまう。
しかし、彼の仕事熱心さに免じて何も言わないことにしている。
家を建てる仕事がスキで好きでしかたない、という彼の仕事ぶりだ。
彼は給料より、仕事の内容を第一に考えているようだ。
日本の職人にも見習ってほしい。
上がご当人のエンボイ。
こんなに自分からガンガン動いて仕事する棟梁を、私はフィリピンに来て初めて見た。
「イヨッ、エンボイ! 大棟梁~!」