接客は~、お国柄、それぞれ
村人というか、フィリピン人の生きがい年中行事『フィエスタ!』
都会のレジの大行列は日常。
フウテンおやじ妻です。
日本を離れて、フィリピンで生活を始めてから、もう10年以上になりますが、まだまだこの国の意表をつく出来事に、びっくりしてしまいます。
先日もこんなことがありました。
日曜日、フウテンと資材売り場にて。。。
後ろ姿でつったっているおばさんがいたので・・・
私「あの、レッドリード(サビ止め)どこでしょう?」
おばちゃん、振り向いた。
(ぎょっ!)
振り向いたおばちゃん、口には食べ物、右手に菓子パンをにぎりしめている。
や、やばいっ・・・
(フィリピンの人々は、食事を中断されることを異常に嫌うので)
と、瞬間思ったが、ここはお店、しかもおばちゃんは店員さん、勤務中である。
毅然とした態度で、おばちゃんの返事を待った。
おばちゃん『あぁ、あそこ』
と、口にいっぱい入れたまま、けだるそうに答えてくれた。
よかった~、反応あり。
しかし次が問題。
そのままシカトか?それともおばちゃん、仕事するか?
2秒ほど間があり。。。。
おばちゃん、右手に齧りかけの菓子パンを持って、けだるそうにビーチサンダルをずりずりとひきすりながら、サビ止め売り場へと案内してくれた。
サビ止め売り場につくなり、右手の菓子パンにかぶりつきながら
『ここ』
とパンくずのついた手でサビ止めを指してくれた。
パンくずが床に落ちた。
(あとでアリが来るんだろうな。。)と思いつつも、頭を切り替え
私「1ガロン、いくら?」
おばちゃん、指をなめながら『〇〇〇ペソだよん』
なめた指で価格表を指しながら、話すおばちゃん。。。。
別の資材屋で。。。
店員がどこにもいないが、店の奥で声がする。。。
『ま~かわいい、パパ似だね~』??
『あ~、声だした~』??
『ほらほらほら』??
ふと奥の方を見ると、人だかりが。。
店員に子供が生まれ、その店員さんが赤ちゃんを見せに来ていた。
その赤ちゃんを店員全員が(レジ女性2名以外)が囲み、皆大興奮。
店内にいた数人のお客は、もちろん全員無視された状態。
当然私はムッとしていた。
何だ、この店っ!
フウテンおやじは、フウテンのままだった。
おやじなりに思うところもあるだろうけど、こういう場合はさすがフウテン、である。
何事もなかったのごとく、買い物を続けていた。
買い物が終わり、いざ会計へ。
買い物カートを押して列に並び、会計カウンターへあと一歩、というところへ。。。
恐るべし!
先ほど、奥でさんざん店員を一人占めしていた赤ちゃんが、いきなり私の前に割り込んできた。
正確には、赤ちゃんをだっこしたそのおばちゃんが、である。
『ほ~ら、見て~、この間生まれたばっかりなんだよ~』
と言いながら、レジの女の子に赤ちゃんを見せるのであった。
お客さんがいるからとか、お客さんが待っているから、迷惑になるとかは全く考えない、考えないのである。
彼女の夫は、この店の店員である。
だから、彼女は堂々とずうずうしくできるのである。
私のダンナはこの店で働いているのだから(当然)、と。。。。
子守りの若い女の子と、自分の友達まで引きつれたそのおばちゃん、私のカートの前に陣取ること数分。
会計も出来ず佇む私。
私は思わず
「いい加減にして~!」
と、叫び・・・
たかった。。。。
が、しかし出来ない。。。。
そんなことしたら、あとが怖いフィリピン。
無理やり笑顔をつくり、こめかみをひきつらせながら、ひたすら待つ私であった。
別の布地店の売り場で、
カーテンの生地を探すために、お店をうろうろ。
これはいいけど、値段が高すぎ、値段はちょうどいいけどこの柄が合わない。。。。
などなど横に歩きながら、進むと。。。。
変なにおい?
と、
がさっ、がさっ
の音。
そして視線を感じる。。。。
ふと見ると、私の足元で二人の店員が、干し魚とご飯でお昼を食べていた。
私「あ、ちょっと失礼」
何事もなかったように二人を通り越し、また布地に目を戻す私であった。
人間、“慣れ”とは恐ろしいものです。
こんな店でも、“別の惑星”に来た、と思えば驚きも半減します。
見て見ぬフリ、ということもさりげなく、できるようになります。
店員が会計のカウンターでカップヌードルを食べようとも、店の奥でお菓子を食べようとも、店の真ん中でお昼を食べていようとも慣れてしまうのでした。
また店員同士の話に花がさき、お客を無視、なんてことにも腹は立たなくなるものです。
ここはフィリピン、異国だからです。
このブログを読まれている方で、変な体験をしたい方、奇妙なことで“我慢強く”なりたい方、内心びっくりするけど、表面上は冷静になりたい方は、ぜひフィリピンへお越しください。
どんな方でも日常の“訓練”で、“伸びきったゴムのような性格”になれることは、私が保証させていただきます。
フウテン評:
確かに、ほぼそのとおりでございます。
しかしフィリピン人のために言わせて貰えば、私ども日本人は日本のサービス業の接客と比較して、ものを申します。
日本ではキャッシャー(レジ)でさえ、“礼に始まり礼に終わる”。
まるで剣道の試合のように、礼儀正しいのが日本の接客です。
比較しては可哀想です。
また外国に関して言えば、特別フィリピンだけがひどいという事も、ないように思います。
それと、やはり習慣の違いでしょうか。
一言で言えば、“フィリピンスタイル”ってヤツですね。
ごく一部の人を除くと、一所懸命仕事しても、3~6ヶ月で契約終了=失業という雇用スタイルですから、意欲も湧かないのでしょう。
ご本人たちは、給料は時間拘束の代償という意識です。
こういうのを見ていると、日本で崩壊してしまった“終身雇用、年功序列”という形式も、この国ではありかな、と感じますが・・・
もっとも、『長く居れば居るほど、働かなくなる』、という人の割合が多いお国柄ですから、難しいですね。