またまた仕事人ヤキヤック
(これが今回の椰子の木・・・切り倒すターゲット)
朝から日差しが強く、暑いです。
ウチの連中は頻繁に「氷(水)をくれ~!」と言ってきますが、全くこの暑さのなか良く働きます。
さて樵(きこり)のヤキヤックは、毎日のように前の道を通っている。
今にも空中分解しそうな、おんぼろの自転車をキーコキーコと漕いで。
クラブハウス建築当初は、ずいぶんヤキヤックに椰子の木を切ってもらったので、村で遭うと、フウテンや奥様にも凶悪?な顔でニタリとして挨拶する。
着工した第一コテージの脇に、椰子の木とタリサイの木がある。
ヤシの木は高さ15メートルほど、70個ほどの実をつけている。
将来第2コテージを作るとあいだに挟まれ、処置に困ってくる。
また敷地の真ん中に生えているので、眺望を妨げる。
実が落ちると危ない。
など全く人間側の身勝手で、切り倒し処分が決定。
椰子の木に罪は無い、許せ。
その哀れな椰子の木から5メートルほど離れた塀際に、タリサイの木がある。
高さやはり15メートルほど。
タリサイとは、日本名『ももたまな(桃玉名)』というらしい。
http://www.botanic.jp/plants-ma/momota.htm
やはりフィリピンでは何処でも見られる木で、南洋では珍しくも落葉高木樹である。
海岸のタリサイの木は、広い日陰を作るので憩いの場になっていることが多い。
そして夜になると、羽を広げると5~60センチもあるフルーツバットが、実を食べにやってくるのだ。
このタリサイにも何の恨みも無いが、やはり人間の身勝手で、切り倒し決定。
そこでヤキヤックの登場となる。
(ヤキヤックの愛車と仕事道具)
(万一に備え、てっぺんに上り山刀を振るい、実と葉を先に切ってしまう)
山の椰子の木を切るときは、こんな面倒なことはしないでいきなり切り倒す。
周りに障害物や家がある場合、事故を避けるため、まず葉と実を落とすのだ。
葉と実だけでもゆうに100キロは超える。
この作業は、誰でも出来るという訳ではない。
命綱なしで高所、思い切り山刀を振る。
落ちればまず死ぬ。
汗まみれで降りて来たヤキヤックは、少しだけ休んだ。
そして・・・
(チェーンソーのエンジンが唸る)
ヤシの実が目当ての見物人たち=ウチのスタッフ&近所の住民たち=が、後ずさりしながら遠巻きにする。
(あっという間に切り倒された、合掌)
(こちらはタリサイの木、やはり先に太枝を伐られ丸裸)
(腰が入ったヤキヤックのワザ)
この村では、木こり=ヤキヤック、唯一無二の職人だ。
(タリサイの木もあっという間にバッタン、合掌)
(チェーンソーを持たなければただの人相の悪いオヤジさんだが、チェーンソーを持つと爆音と殺気が辺りに充満するのだ)
椰子の木には捨てるところがない。
(ヤシの木の先端部分)
(その中心にあるルビ、椰子の木の成長点だ)
このルビは、最高の珍味。
生でも美味いし、高級のサラダの具材になる。
椰子の木が倒されると、いつの間にかうちのスタッフは、早速仕事ほったらかして黙々と椰子の実を食べている。
これは子供の頃からの条件反射なのだろう。
(彼らの名誉の為、画像はない)
日本人や外国人観光客はジュースが目当てだが、彼らはジュースより内側の果肉・・・栄養満点なココナッツミルクやパウダー、椰子油・石鹸の素・・・を好んでむさぼる。