古材利用で応接セットを作る・・・前編
今日は久々の雨模様。
ずっとピーカン晴れが続き、太陽にはいささかげんなりしていて、やはらかな雨が心地良い。
天の配剤に感謝いたします。
さて、ビーチコテージ、門扉と同時進行で、クラブハウスのラウンジに置くソファーセットを自作することにした。
クラブハウスの「石壁」や「キタローキャビネット」には、市販のこじゃれた応接セットは雰囲気に合わない。
前にも書いたように、市販品の良いものは目ん玉が飛び出るほど高価だし、安価品は見掛け倒しのクズだ。
ウチには、ボロ屋解体から出た「古材木」という強い味方がある。
これを使わない手はない。
応接セットの大まかな図面を書いて、大工の匠:Dに渡した。
私が細かなデザインを決めるより、彼の好きなようにやらせることにした。
そうすることによって、彼がいつも作っている、つまりごく田舎風のフィリピンテイストな応接セット、つまり悪く言えば下手くそ?な応接セット、よく言えば素朴?な応接セットが出来ると思ったからだ。
私の出した注文は、「3人掛け1脚と1人掛け2脚、計3脚」作って欲しいということである。
そして、シャワールームに貼った残りのタイルを利用した、「ローテーブル」の製作だ。
私が図面を巨匠に渡すと、最近は『またか!』という(イヤな?)顔をした。
しかし、私の容赦ないスタッフのレイオフを見ている彼としては、可哀想だが、勇んで作るしかないのである。
Dよ、君の為だ。
仕事の帰りに飲んだくれるのもいい。
が、私としては、私からの直の仕事があるうちは家族を養える、という事を理解して欲しい。
この国のド田舎の職人&建築作業員の雇用形態は、日本で云う『日雇い』だけだ。
しかも個人対個人だ。
よく云えば『フリーランサー』だが、失業保険も、健康保険も生活保護も、そんなセーフティーネットは一切ない。
それは元より彼らも承知の上だ。
だから私らのような外国人雇用主は、時には本人とその家族、場合によってはその親族まで生活を保障しないといけないのだ。
翌日、二日酔いで、エイズにかかった刑事コロンボみたいな顔をして、巨匠は彼の頭の中にある伝統的な図面をもとに作り始めた。
(巨匠Dの作業)
脳ミソはアルコール漬けでも、ウデは確かで仕事は丁寧、まさに『職人』田舎の巨匠だ。
ただし頭痛がするのだろう、おしゃべりなし、静かだ。
迎え酒をやられては困るから、パラセタモル(鎮痛薬)をあげた。
後編に続きます。