ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

フィリピン1号と人間海亀


ウチのビーチに流れ着いた”流木”。


カタチが変わっているので、私の創作意欲が湧いたが・・・・仕事が増えるだけなので、回収は止めました。




私は、客室用のキーホルダーの製作を、製作中でした。


午後曇りがちになってきました。


早速、息子フィリピン1号(当時4歳)は、子守りの娘と一緒にビーチを独占。


フィリピンの田舎では、晴れた日中、海に入る人はあまりいません。


暑いし、何より日焼けを嫌います。


(すでに充分黒いのに・・失礼、それでも日焼けして、さらに黒くなって、なかなかさめません)





日本に昔は『クロンボコンテスト』と云うのがありました。


小学生が、夏休みの間にどれだけ『日焼け』したかを競いました。(地黒の子がどうしても有利ですから、ゆで卵のような?地白?・・・今は誰も信じませんが・・・の私には無理でした)



今じゃ、『クロンボ』と云う言葉も、子供がどれだけ黒くなったか競わせるのも、絶対に『タブー』ですけど。





『人間亀』になってくれているのは、ベビーシッターのM嬢です。


こうやって体を張って遊んでくれると、ホント、助かります。

椰子の木の『天敵』



ウチのクラブハウスの正面に向い合せ、1列に5本の若い椰子を植えました。



これらは、はじめから植わっていたのではなく、敷地内の他の場所から移植、並べたものであります。


その中のいちばんゲートに近い1本が、どうも芳しくなかったのであります。


原因はこの木の植え替え時、今から10ヶ月前にさかのぼります。




去年6月の写真です。


植え替えの際、力がない職人達が木が重いから動かせないと、上の画像のように、ほとんどの葉を切ってしまったのであります。





そして10ヶ月を経過しました。
いちおう次々と葉は出てくるのですが、成長する前に枯れてしまい、他の椰子と比較すると一抹の寂寥感が漂っています。





おまけに最近は上の写真のように、指などスッポリと入る穴がふたつ、幹にあいています。


何か怪しげな『?』な穴ボコでございます。



私フウテンは、決断を迫られました。


この木を残すか?


他の木とさし違えるか?


悩みました。


・・・木が可哀そうですから。


奥様にも相談しました。


そして3日後に決断しました。


涙をのんで、このヤシの木を処分して他の若木にチェンジすることを。


ここはウチに来たお客様が、最初に目にする椰子の木です、重要です。


掘り返し作業を見ていると、


「バコカンだ!」


「だめだ、こりゃ。」


「こうなると枯れちゃうんだ。」


「バコカンか。」


などと職人達が話しています。
聞き捨てならないので、


「バコカン、って何じゃいな?」


と聞いてみますと、


「虫でっせ。」という。


『バコカン』とはフィリピン語です。


“BAKOKANG”と表記します。


そこで私はピンときました。


上の写真の穴です。


クワガタ(もしくはカブトムシ&カミキリムシ)です。


フィリピンのある東南アジアは、知る人ぞ知る昆虫の宝庫です。


そして、“BAKOKANG”とは、クワガタやカブトムシ(&カミキリムシ)のことです。


種類が豊富で、日本では見たことのない形の角を持つものもいます。


椰子の若木は甘い樹液タップリ、しかも皮がそんなに硬くないので好物なのでしょう。




捕まえてフィリピン1号にあげようかと思い、穴のあたりで木をブッタ切ってみました。


黒くなった穴は幹の中心に達し、縦に貫いています。


木の成長点の甘い樹液を、大食いしていたのです。


しかし、(トットと逃げたのか)肝心の宿主は見つかりませんでした。


ウチの椰子の木を痛めつけた犯人は雲隠れ、命拾いをしたようです。




敷地内の別の若木を掘り起こし、あとに植えました。


実はこの若木は半年前にも一度移植した木です。





一度切られた根の先から、新たに根が出ているのがわかります。


『なるほど~』という感じですね。


でも、半年の間に2度も植え替えて、大丈夫なのでしょうか?


今度は丈夫に育ってくれと、祈るばかりであります。



水をタップリとあげようとしたら、タイミングよくスコールがザ~ッっときました。
手間が省けました。



ヤシの木はある程度成長すると、もう昆虫被害は受けません。 


なぜなら成長点が高くなると、『フルーツバット』が成長点=木のトップに棲みつくことが多いからです。


フルーツバットとは、羽を伸ばすと4~50センチのコウモリ。


果実や木の実を主食とし、昆虫も食べます。


夕方から朝までが活動時間、ヤシの木の天辺などをねぐらとして休んでいます。


そして人間は、時々このフルーツバットを食用としています。


マンゴーなどを食べに来たところを、空気銃やパチンコで撃ち落とします。


私も何度か食べました。


上手い人が調理すると、美味です。