↑この白い所が門です。
かなり上から撮っています
ウチの前の街路樹、フサアカシアの大木が今満開です。
咲いているうちは良いのですが、花が終わると地面に残がいが積もります。
さて私、時々、現場の力仕事をいたします。
水運び。
私は頭の回転が遅いので、基本的に力仕事は好きです。
もっとやりたい気はあるのですが、そうすると、ドッサリとある他の“私の仕事”が出来なくなります。
私が穴掘りやら石運びを始めると、スタッフは自分が代わろうとします。
まあ一応こんな私でも彼らのボスですので、当然と言えば当然です。
私は彼らに、「私はエクササイズとして、やっているのだから。」と理由を言って申し出を断ります。
これは実は重要なことです。
フィリピンは階級社会です。
下層階級の人以外は、女性でいえば洗濯&掃除、男性でいえば畑仕事や力仕事はしないものです。
よくある話なのですが、日本人女性がこちらに来て、日本の生活習慣そのままに家事をこなします。
すると、メイドや運転手など使用人の噂になって、ご近所やフィリピン人の友人の人などにも見下げられる、蔑まれる、ということがあります。
英語が話せないと尚更です。
まして、手際良くこなそうものなら、余計マズいです。
彼らの思考からすれば、我々[日本人=外国人=富裕層に準ずる者]としては、出来るはずないことですし、してはいけない事でもあります。
メイドやボーイの仕事を奪っていると考えることもできますが、それより彼らにしてみれば、
「あの“マーム”=マダム=奥様は、今は金持ちみたいだけど、家事をするし上手だし貧困層の出身に違いない。」
「きっと長いあいだ、どこかでメイド(女中)をしていたのだろう。」
「成り上がり者だね。」
ということになりかねません。
下層階級だけでなく、富裕層からも馬鹿にされたりします。
日本では、よほどの金持ちを除いて、家庭では、その家の奥様が中心となって家事をこなすと言う習慣ですが、フィリピンではそうではありません。
この国は貧困層が圧倒的に多いですから、我々から見れば普通以下の収入、生活レベルの家でも、ハウスメイドや子守り、ボーイ 運転手などを雇用しています。
地方の貧困層の人達が雇用され、そういう仕事をこなします。
自分の家にいても、ロクに食べ物も満足に寝る場所もないわけで、食住が保障され給料までくれると言うことで、けっして悪い条件ではありません。
また雇う方の立場の階層は、生まれた時から家事や雑用をこなしてくれる人がいて、当たり前で育っていますので、家事など上手いはずはないのです。
婚姻も普通は同じ階級同士の男女ですから、何かのきっかけで成り上がった人は、上下の階級から内心は良くは思われません。
本人のファミリーは別ですが。
したがって、富裕層(?)である私としましては、彼らより早く穴を掘ったり、焚き火で上手に調理したりしてはいけないのであります。
ついでにこの際申し上げますとフィリピン、特に田舎では、色黒で筋肉質な男はモテません。
そんな男こそが、貧困層肉体労働者の象徴であるからです。
最近は減りましたが、リゾートで以前日本人の若い男女のお客様が、皮が剥けてボロボロするまで肌を焼いているのをよく見かけました。
かつての私もそうでしたが、私に限らず、皮膚ガンや肌の老化など紫外線の悪影響が知らされるまでは、戦後の日本人は日焼け願望がありました。
フィリピン人スタッフの女性は、灼熱の太陽に肌をさらす日本人を横目で見ながら『せっかく白いキレイな肌をしているのに・・・もったいない』とか、『どうかしてるんじゃない?』とか(陰で)噂しておりました。
ある時などスタッフに呼ばれて、マジで「ナゼダ? 止めさせた方がいいんじゃいか」と詰問されたこともあります。
若い日本人男性諸君。
ご参考のため申し上げますと、今風の日本語で言えば、『メタボでキモイ!』男が比国の田舎でモテるタイプです。
色白でデブ、ヒゲなどないような白くツルッツルのお顔、ムッチリしたきれいなお手々、
汗臭く、汚れていない服。
そんなのが一番モテます。
貧困層や下級階級ではありえないタイプ、憧れだからです。
日本の女性の好みとは違うと思います。
但し、フィリピンでも都市のエリート層やニュージェネレーションの一部は、欧米の情報、文化、習慣をある程度吸収していますので、美男美女の好みも国際化しているようではあります。
ずいぶん前ですが、半分冗談でフィリピン人女性が言ってました。
理想の結婚相手とは、
『3M!』
つまり、
“Mayaman Matanda Madaling mamatay”
『マヤマン マタンダ マダリンママタイ』
意味は、
「金持ちで、年寄りで、すぐ死にそうな人」
やはりお金ですかね~。
フィリピンの場合、これが実に現実味を帯びているのです。
ちなみに私フウテンは、最初がなくて、中と後の“Matanda Madaling mamatay”が半分該当するようであります。
しかし、肝心の“Mayaman”(お金持ち)でないので、仮に独身だとしてもただのクソオヤジ、ハナもひっかけてくれません。