子供三輪車を直した
(ウチの幼児の3輪車)
買ってから、大して乗っていないのに、ハンドル下のフレームパイプが、壊れた。
ちょっと転んだ拍子にパイプの溶接が剥がれ曲がってしまった。
もう乗れない。
フウテン注:フィリピンでは、一般的に『フィリピン製』のことを“LOCAL=ローカル”と呼ぶ。
そして、ローカルじゃなく本物のことを“ORIGINAL=オリジナル”という。
近頃のローカルの定番である中国製は“CHINA BRAND”という。
すぐ壊れる物は、ローカルや中国製、ちゃんとした物は値段も高いが、「オリジナル」となる。
中国製でも日本に納入されるクラスは、高品質の製品も多い。
それらは、いわゆる『検査』をパスしたものだからだ。
フィリピンに入ってくるような品々は、中国製の中でも最も低品質の部類だ。
そして、一番信頼の置ける物は、“MADE IN JAPAN”というのは、子供でも知っている。
安物、ニセモノが横行する東南アジアでは、それほど『メイド・イン・ジャパン=日本製』というのは、ブランド価値が高いのである。
日本人としては、ザマーミロというかムフフなのであるが、実際そのネームバリューは凄い。
(*2021年の注:最近はそんな”ジャパン神話”もあまり当てにならないようだ。
ついでに言うと、当時のこの3輪車の持ち主は、今は身長180センチの日本の高校生。)
当該3輪車はセブ市の最大手スーパー『シューマート』で買ったのだが、いくら子供の物とは言え作りがチャチだ、さすが中国製だ。
パイプが薄く溶接も効いていない。
・・・・やっぱりフィリピンだから?
(破損箇所のパイプ、厚さ1ミリくらいのブリキ並)
こいつを近所の修理屋さんに持っていった。
パイプを交換して溶接し直した。
お値段は、安い!
100ペソ(250円)だった。
・・・・さすがフィリピン、い~い国だ! だから好きだ。
(修理直後)
(パイプは前より頑丈になった)
ちょうどウチの現場でエナメルペンキを使っているので、地金むき出しの交換部分を白く塗装した。
しかしよく見ると前輪の傾斜角度(キャンター)が、今までよりも立っている。
これだと直進の安定性が少々悪くなる。
・・・・やっぱりフィリピンだ。
まぁ3輪車だからイイか。
私が小さい頃の日本もそうだった。
『物』は修理して、大切に使った。
今は、日本では何でも『ジャパンクオリティ』。
・・・壊れない。
壊れないから、(日本では)町のヨロズ修理屋さんが食っていけず、無くなった。
修理の『プロ』が居なくなれば、素人は修理を学びようがない。
そのうち修理して使う、という発想自体が無くなってくるだろう。
例えば、車の免許試験の学科の”構造”も今は無くなった。
もちろん今の車は、もう素人はほとんどいじれない。
が、車がナゼ動くか、少しは知っていて運転するのと全然知らないのとでは、違いがある。
大袈裟に言えば、今や日本は、物は壊れなくて当たり前。
外国、特に後進国は何でも壊れて当たり前、という心構えでいる。
だから、修理して使うことを前提としているように思う。
しかし、まことに穿った見方だが、先のようなことがあると、世界一の『ジャパンクオリティ』も、ちょっと罪ではないか。
*以上は10数年前の稿であります。2021年のいま事情は少々変わってきたような・・・・。