サクサク未配達は〇〇の陰謀だった・・・後編
(積み荷のサクサクシートを降ろすと、バイクの「正体」が現れた)
こんなバイクで、重くかさ張るサクサクシートを積んで40キロ走って来たのだ!
(ナンだ、こりゃ~!)
死にかけのターミネーターのような?
焼け跡からひろったバイクのような?
よ~く見ると、『2コ1』どころか『4コ1』ぐらいだろう。
*注:『2コ1』とは、2台のうちの使える部品を寄せ集めて、1台を作ること。
『4コ1』なら、4台のガラクタから1台をつくる・・・ってことになる。
もと『オトキチ』(←古い言葉で恐縮です)の私フウテンでさえ、乗りたいと思わない。
こんなバイクで海岸道を40キロ走ったら、命がいくつあっても足りない。
郊外では、センターラインの無い狭い崖っぷちを、不良整備のバス・トラック・車が80キロ位でぶっ飛んでいるのだ(後進国では普通かも)。
しかし、疑惑は解明し、真相は明らかにしないといけない。
今後の為にも・・・・・
日本の警察庁公安部(←私フウテンと奥様だが)は、早速、そのお疲れ様の配達員を拘束(=食べ物をあげて引き留め)した。
「吐けばラクになるぞ~」
「オラ、オラァ~!」
「どうだ~、楽になって、カツどん食うか?」と厳しく尋問した。
・・・・その結果、我々の極秘調査を裏付ける事実が判明した。
捕虜の自白内容は以下。
・電話は事実あった!
・女の声だった。・・・(ひょっとしてアイツか?)。
・ジャングルの奥地では、ウチのサクサクシートはキャンセルだと思われていた。
・中国人も日本人も同じだから、どうせ作ってわざわざ配達しても、ゴタゴタするだけでつまらんと思っていた。
(例えば、日本人がアメリカ人とイギリス人をたいして変わらん――実際はかなり違うが――と思っているように、他国の人は、中国人も日本人も韓国人も、一緒だと思っている人が多い。・・・と云うか判別できない)
そして・・・
・サクサクの名産地の『サンボアン』では、近々『サクサク・フェスタ(=祭り)!』がある。
・だから今はサクサクシートの需要が多く、作っても作っても、人がお金を持って買いに来る。
・バカらしくて、高いガソリンかけて配達する気がしないと・・・。
「『サクサク祭り』だと~っ?」
ナンダソリャ~?
そんな祭りはしなくていいよ~。
もう何でもいいから、ごしょうですから、オネゲ~しますだ!
残りも持ってきてくれ~!
(追伸)
残りのサクサクシートも、『必ず持ってくる』と約束したオンボロバイク野朗は、やはり来なかった。
諜報部員(J)の追跡調査によると、ウチに配達した翌日、バイク野郎は行方不明になったとの事。
中国マフィアに消されたか?
セブ市に行った・・・・とかいう噂もジャングルではあるらしい。
(あるいは、諜報員(J)は、何かを隠しているのかも知れない)
もう何が何だか分からくなった。
こうなったら他の方法で、なんとか手に入れるしかなくなった。
捜査会議の結果、我々は、エージェント(J)を再度、ジャングルの奥地サンボアン村に密偵に出した。
とにかく「やれやれだ」
(そのうち続く。)